もはや“4横綱時代”は、風前の灯か――。「名古屋場所4日目となる7月12日に鶴竜が、その2日後に稀勢の里が休場。過去に曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸の4人が横綱だった時代は、全員そろうことが一度もないまま、若乃花の引退で、わずか5場所で終了しました。今回も、そうならないか心配です」(相撲協会関係者)

 鶴竜の休場は、今年の4場所で早くも3度目。井筒親方も「ケガをするということは力が落ちている証拠。次に土俵に上がっても勝てなければ、潔く決断しなければならない」と“引退勧告”を行っている。ただ、鶴竜には、すぐには引退できない理由がある。

「鶴竜は、15年にデキ婚した妻との挙式、披露宴を、今年の10月に行う予定なんです。親方の発言を受けて“このケガで終わりたくないという強い気持ちがある”と述べたのも、9月場所で再起し、横綱として結婚したいという気持ちの表れでしょう」(相撲記者)

 だが、裏を返せば、九州場所以降は引退という決断もありえるということ。一方の稀勢の里は、「春場所で痛めた左大胸筋に加え、左足首も負傷。“相撲が取れる状態じゃない”と、稀勢の里自ら休場を決めたそうです」(前同)

 場所前の稽古では、弟弟子の新大関・高安を相手に、三番稽古で10戦全勝するなど、順調に回復しているかに思われたが……。「弟弟子ですから、調整役に徹して手加減した部分はあるでしょうね。事実、一門連合稽古では、嘉風との稽古中に転倒し、左腕を土俵に強打しています」(別の相撲記者)

 さらに、本場所では横綱を倒すべく、どの力士も全力で向かってくるが、稀勢の里が相手だと、その気合は段違いになるという。「今、最も人気のある稀勢の里には、高額の懸賞金がかけられています。一番勝つだけで、百数十万円が手に入りますから、絶対に倒そうと、負傷した箇所を狙う力士もいますよ」(同)

 それゆえ、ケガをおして出場すれば、完治はおろか悪化させる可能性が高い。「入門時の師匠である鳴門親方(元横綱・隆の里)は“ケガは土俵で治す”という方針。その教えを頑なに守っているんですが、そのせいで、ケガが新たなケガを呼んでしまっています。稀勢の里が横綱に昇進できた理由は、これまで致命的なケガがなかったから。それゆえ、時間はかかっても何度も綱取りのチャンスが巡ってきた。その強みが失われてしまえば、横綱としての寿命は短いものにならざるをえません」(同)

 秋場所について、相撲協会理事長の八角親方は「中途半端に出るのは良くない」と発言しているが、「稀勢の里の性格上、横綱として、3場所連続休場は耐えられないのでは。体を壊す覚悟で土俵に上がる恐れもあります」(同)

 秋場所が最大の試練となる稀勢の里と鶴竜。だが、無理をすれば“年内W引退”の悲劇が待っている――。