新空間発見の記念撮影写真。(写真:山口大学発表資料より)

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 秋芳洞。日本の国指定特別天然記念物に指定されている、山口県美祢市秋芳町秋吉にある巨大な鍾乳洞である。山口大学などの共同調査チームは、Mine秋吉台ジオパーク活動応援事業に基づく2016年度以来の探索・再測量によって、秋芳洞内部に従来知られていなかった新しい空間を発見したと発表した。

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 また、一連の調査・測量により、秋芳洞の総延長は従来の8,850メートルから1万300メートルへと上方修正され、これにより、国内の大洞窟としては、4位から3位へとランクアップするという。さらなる未探検領域もまだ残されており、これ以上の総距離延長も期待できるとのこと。

 新しい空間が見つかったのは、「須弥山」と呼ばれる、洞内で2番目に大きいホールの天井部分。直径約10メートルのチューブ状の空間が高低差約80メートルの振れ幅で300メートルほどに渡って伸びており、これは秋芳洞の観光ルートとして著名な「黒谷支洞」に匹敵する規模である。

 なお、今回の発見は秋芳洞の形成についても新たな示唆を与える。海抜の高い位置に新しい空間が発見されたということは、秋芳洞は地下水面がもっと高い位置にあった時代に、深度100メートルを超える巨大な水中洞窟として形成されたのではないか、という新学説が提唱され得るのだという。

 今回の調査の中心となった山口大学洞窟研究会は、1955年設立で、62年という長い歴史を誇る山口大学の公認団体である。秋芳洞と国定公園「秋吉台」の探索・探検を主な活動としている。

 伝承によれば秋芳洞が発見されたのは14世紀のことであるというが、近代の本格的な調査が始まったのは20世紀に入ってからのことである。それにおいて、山口大学洞窟研究会が大きな貢献を果たしてきたことは言うまでもない。

 今後、共同調査チームは、新空間のさらなる内部調査や、また新たな洞窟の探索などを行っていくという。