有名人の方々に、ふるさと愛を熱く語ってもらうIRORIOの新連載「タレント観光協会」。

第2回は、歌手で芸人のはなわさん(41)です。

2003年に地元・佐賀県をテーマにしたコミックソング「佐賀県」が大ヒット。今年3月に発売した義理の父へ向けて歌った新曲「お義父さん」は話題を呼び、6月にはベストファーザー賞に輝きました。

現在は奥様と3人の息子さんとともに佐賀市で暮らし、全国を飛び回っています。

「『佐賀県』のおかげで食べていけるようになった。家族で佐賀に恩返しをしたい」

はなわさんに、“自虐抜き”で佐賀県への愛を語ってもらいました。

はなわ家のお出かけスポット

―本日はお忙しい中ありがとうございます。本日も佐賀からいらっしゃったんですか。

はなわ:きょうは都内からです。なかなか忙しいと帰れなくて。

飛行機で2時間ぐらいで着いちゃうんで、意外と近いんですけどね。

-佐賀にいる時は、ご家族とどこに行かれるんでしょうか。

はなわ:いっぱいあるんですけど、神野(こうの)公園っていう所がありましてね。

ここは春は桜の花見ができますし、小っちゃい遊園地もあって、子供たちが楽しめる場所として、ぼくも昔から行っているんです。
いちばん下の子がまだ6歳なんで、小っちゃい遊園地が安全でいいんですよ。

ぜんぜん怖くないジェットコースターとかね(笑)

公園自体は、佐賀藩10代藩主の鍋島直正公の別邸跡に作られているので、幕末から明治維新にかけての歴史も感じられる場所になっているんです。

他にはイオンと、ゆめタウン、モラージュって佐賀の三大ショッピングモールがあるんですけど、そこにバランス良く行っていますね。

神野公園の遊園地 出典元:佐賀県観光連盟

-好きな場所はありますか。

はなわ:佐賀市だと、嘉瀬(かせ)川の河川敷っていう所がありまして。

秋になると、有名なバルーンフェスタ(※1)が開催されますが、普段は、のどかで静かな場所なんですね。川沿いに佐賀平野を一望できて、本当に時間を忘れるというか、ゆっくり無になれる場所で。

たまにひとりで行って考え事をしています。

-どんなことを考える?

はなわ:歌のアイデアとか、子供のこととか、家族ことを考える場所ですね〜。

ギターも持って行かないで、のんびりしています。

嘉瀬川の河川敷 出典元:佐賀市観光協会

【※1 佐賀インターナショナルバルーンフェスタ】1980年から毎年11月に、佐賀市の嘉瀬川の河川敷をメーン会場に行う熱気球の国際競技会。世界選手権も行われたことがあり、2016年には181機が参加した。大型気球が空を埋める風景は圧巻。

バルーンフェスタ 出典元:佐賀市観光協会

地元自慢は美しくない?

-佐賀といえば、吉野ヶ里遺跡(吉野ヶ里町)は無視できません。

はなわ:吉野ヶ里遺跡は、日本最大級の弥生時代の遺跡ですからね。

住居の再現とか土器づくりが体験できます。

ぼくも子供の時によく遠足で行きました。

佐賀と言えば、吉野ヶ里遺跡って感じです。

-佐賀の人にとっても大きい存在?

はなわ:大きいです、大きいです!

やっぱり自慢ですよ、教科書に太文字で載る場所なので!

佐賀はそういう日本の重要な歴史の雰囲気が色濃く残っている場所で、住む人の中にも肥前藩の武士道の精神が今でも根付いている気がします。

「葉隠(はがくれ)精神」(※2)と呼ばれるんですが、感情で手を出さない武士道の美学が、佐賀県の人はどっかにあるんです。

だからこそ、自慢も苦手でどこかで「自分たちが分かっていればいい」と思っちゃう。

「すごいでしょ俺たち!」という姿勢が、あまり美しくないとされているというか、ひたむきにまじめに努力する武士道の精神があります。

そういう部分が他県に比べると、PRが下手だったりする原因かもしれないなと思います。

本当は、佐賀は深く掘っていけば、素晴らしいところがたくさんあるんですけどね。

【※2 葉隠の精神】江戸時代に、佐賀鍋島藩でまとめられた「葉隠聞書」にまとめられた武士としての心構えのこと。謙虚な姿勢や質素倹約の大切さを説く。

▼はなわさんが出演した佐賀県のプロジェクト「あさご藩」の動画

田舎と言いまくって迷惑かけた

-“SAGA”の佐賀県から14年が経ち、現在は佐賀市PR大使も務められています。

はなわ:あの曲で佐賀の存在を知ってくださった方もたくさんいますよね。

あれで佐賀を田舎と思った人もいるでしょうし、自分らも自虐的に言っていたからあの曲が生まれた部分はあります。

でも、当時ははったりやデフォルメで田舎だ田舎だと言いまくって色々迷惑をかけちゃったんで、今はどうにか払拭していきたいというか、ぼくも、ちゃんとやっていかなきゃなと(笑)

微力ながらPRしていきたいと感じています。

最近は県がPRを頑張っているので、知名度が上がって見え方も変わっている気もしますし。

―最近では美味しいものがいっぱいあるイメージも付いてきました。

はなわ:地道な努力で、佐賀牛とか有明のりとか、呼子(よぶこ)のイカとか、それこそ葉隠精神で知る人ぞ知るような部分だった物が、徐々に世間に浸透してきたなと感じる部分はありますね。

ぼくも、ちゃんとやっていかなきゃなと(笑)

微力ながらPRしていきたいと感じています。

例えば、のりって全然違いますからね。おいしいのと、そうでないのとで。

色が濃ければ濃いほどおいしいんですが、有明のりは安ホテルのバイキングで出るような薄い色のやつと大違いですから。

有明のりは家族もみんな大好きですし、体にもいいですよ。

唐津市の呼子のイカ 出典元:佐賀県観光連盟

頑張っても福岡には勝てないのだから

-九州では、佐賀は「福岡や長崎に行くときに通る所」というイメージもあると聞きますが…。

はなわ:まあ、そうでしょうね(笑)

そういうネタを言い過ぎて、知事に怒られちゃいましたけど。

イジりすぎて、もう、ぜんぶ俺のせいにされるんじゃないかと(笑)

地元愛ゆえなんですけどねえ。

ただ、ぼくはそういう田舎っぽさがいいと思うんですよ。

あんまり『田舎、田舎言うな』って言われるんですけど、田舎じゃないかよって(笑)

いくら頑張っても東京には勝てないし、福岡にも勝てないと思います。

だからこそ、どこをPRしていくかって、ぼくは大きいなと思うんですけどね。

例えば、明治維新の「薩長土肥」(※3)の「肥」が肥前藩とか、もっとアピールしてもいいのかなって。

大隈重信とか偉人もたくさん出ていて、当時は日本を支えていたとか。

そういう所をもっと前に出してもいいんじゃないかなと思いますけどね。

【※3  薩長土肥】幕末期に明治維新を主導した4藩(薩摩、長州、土佐、肥前)の総称。その後の明治政府では要職を占めた。現在の鹿児島、山口、高知、佐賀の4県にあたる。

-はなわさんとしては、朴訥とした感じもあってほしい?

はなわ:そうですね。東京と佐賀を行ったり来たりしているからこそかもしれません。

東京みたいに派手じゃなくて、まだまだ田舎の部分があるし、物価も安いし、人も少ないし。

でも、ぼくはそういう所がいいと思うから住んでいます。

-田舎らしい地元が好きなんですね。

はなわさんとご家族 出典元:はなわさん公式ブログ

▶後編につづく
「佐賀県に恩返ししなきゃ」はなわが自虐少なめで語る地元愛【後編】

【はなわ】1976年7月、埼玉県生まれ、佐賀県育ち。お笑い芸人、歌手。2003年に「S・A・G・A」と連呼するコミックソング「佐賀県」が大ヒットし、NHK紅白歌合戦に出場。16年から佐賀市PR大使。17年3月に義理の父に向けた新曲「お義父さん」をリリースし、ヒット中。Twitterは「@hanawa_bassman」、公式ブログは「HANAWA LIFE」。

【佐賀県】人口約82万4000人、面積約2400平方キロメートル(ともに全国42位)。板のりの収穫量、陶磁器の事業所数と出荷額、延長保育実施率、電子黒板普及率、人口10万人あたりの薬局数などで全国1位。

【タレント観光協会】過去のインタビュー

第1回:馬場ふみか(新潟県)-「新潟で育って良かった」日本酒片手に地元愛を語る

第3回:スザンヌ(熊本県)-熊本地震で「ガッツがある県民性と分かった」

第4回:シソンヌじろう(青森県)-「津軽弁、絶対に話すもんかと」地元愛とコンプレックス

第5回:ウーマンラッシュアワー村本大輔-「押し付けられても郷土愛は生まれない」村本流街おこし論