ジョンさん(仮名)・アメリカ人男性20代 < 場所に関する国名は非公開 > 

 

月刊「ムー」を愛読している方であればご存じのことだと思うが、同誌面上では以前から伝説の大陸について幾度となく取り上げられてきた。人類は何十年も前から宇宙資源の開拓について模索し、自らの手で作った乗り物ではるか空のかなたへと旅立ってきた。しかしそれでも、われわれの住む「地球」についてはまだまだ未開拓部分が多いというのも事実である。

 

もし、自分がそんな未開拓の地を発見してしまったら…あなたはどうするだろうか?

 

素直なあなただったら、国に知らせることを第一に考えることだろう。しかし、その場所が一部の限定された者たちだけの知る地下迷宮で、なおかつ何らかの陰謀あるいは巨大な権力が絡んでいたとしたら…事はそうすんなりとはいかないかもしれない。見つけた瞬間、身の危険を感じる方が正解である。

「もうすぐ三沢基地に着くよ。いま日本は何時だい?」

 

彼はジョン(仮名)。米軍通信部に所属する現役軍人である。もちろん、アメリカ人だ。

 

「日本のステイプルフード(=主食のこと)? おすすめがあるの? オーケー、到着したらトライしてみるよ!」

 

ジョンは3カ国語を流暢に話す。その代わりといってはなんだが、アメリカ人なのにヒョロヒョロの体付きらしい。通信部に筋肉は必要無いのだそうだ。

 

「なあ、トーキョーの近くに自殺の森ってのがあるんだって?磁石が効かなくなるって本当?」

 

富士の樹海のことである。彼との始まりについては、いつもの通り、筆者が実話怪談を収集しようとコンタクトしたのがきっかけだった。

 

「不思議な話? まあ、あるにはあるよ」

 

そんなやり取りをした後、個人的なEmailアドレスへと移行した。

 

ジョンは米軍に所属する以前、ヨーロッパに留学していた。田舎にある小さな町の小さな学校が留学先だった。静かな町だったが、ひとつだけ妙な事があったのだという。

 

「学校には特別な資料庫があった。通常の図書室とは違っていてね、中に入れないんだよ」

 

学校にはだれひとりとして中に入ることが許されていない特別な資料室があったという。

 

なぜだれも入れようとしないのだろう…。資料ならば後学のために見てみたい…。

 

そう思ったジョンはある日、仲の良い担任に資料室の内部を見せてほしいと懇願する。しかし担任の返事はNO。それでもジョンは食い下がり、やがて口論に発展する。その担任はもともと生徒思いだったようで、ついにはジョンの熱意に押し負けた形となり少しだけ内部を見せてもらえることになった。周囲には内緒という約束だ。

 

先生が鍵を開けて中に入れてくれる。資料室の中に常駐スタッフのような人はいない。

 

「わあ! 文書記録なんですね。やっぱりだ。あれ?…向こうは何ですか?」

 

地下に降りる階段がある。担任に聞いたが、私は何も知らないと言われる。

 

ジョンは興味に惹かれ階段を降りていく…小さな地下室かと思いきや、先に通路が走っている…。向こうに広い空間があるようだが暗くて見えない…空気がヒンヤリと頬を撫でてくる…。

 

「そこはカタコンブのようだったが、誰も埋葬されちゃいなかった」

 

(原文:it was more like a catacomb but I’m sure no one is buried there.)

 

ジョンによれば、そこは巨大な地下迷宮のようだったという。神秘的で霊的な雰囲気が漂っていたが、どこか寂しく、フランスの地下納骨堂「カタコンブ」を思わせたらしい。ジョンは本能的に深入りするのを避け、早々に引き返したのである。

 

ヨーロッパ某国の小さな町の小さな学校――。その学校の資料室は知られざる地下迷宮への秘密の入り口となっていた。だれも立ち入ってはいけない資料室だというが、学校の職員は入室したりしていなかったのか。

 

「ひとりだけ入った人を知ってる。多くは話していないけど、その人が内部で幽霊を見たと言ってた。僕は見てない」

 

国はその迷宮について把握していると思う?

 

「国のとても偉い人でさえ立ち入りを認めなかったと聞いた」

 

偉い人とは国の王様のことである。どうやら地下迷宮の管理には大きな権力も絡んでいるようだ…。

 

やがてジョンは学校を卒業。それから数か月後、彼は学校で世話になった自分の恩師(=担任の先生)のもとを訪ねる。

 

しかし、学校を再び訪れたジョンの耳に実に奇妙な話が飛び込んできたのである。学校で先生を探すがなかなか見つからないのだ。ジョンは自分の担任だった先生が今どこにいるのか聞いて回った。妙なことに、だれも知らないと答えが返ってきたという。

 

ふと、ジョンはあの時のことを思い出す…ジョンの当時の担任は、例の地下迷宮への立ち入りをしぶしぶ許可してくれた唯一の人である。ジョンの卒業後に担任が消息不明となった…先生の身に何が起こったのか……。

 

「僕はね、それまで幽霊なんてインチキかなにかだと思ってたんだ。でもね、先生のことはあまりにも奇妙な話でね‥、君はどう思う?」

 

国名を含めていくつかの内容をカットさせてもらったが、筆者がジョンから聞いた内容はおおよそこんな感じである。その先生がどうなったということは結局だれもわからない。いや、あるいは知っていて知らない素振りをしているのか。

 

迷宮が軍事的な意図を有しているのか、あるいはピラミッドの内部のように極めて霊的で秘密の儀式に活用されるような場所なのか、はたまた過去の遺跡や財宝が絡んでいるのかは正直分からないが、大きな権力と不思議な力が見え隠れする以上、あまり近づかないほうが無難である。そのような場所にはおそらく多くの骸が眠っているだろうから…。

 

考えすぎかもしれないが、ジョンが監視されていたとしたら、筆者も流れで対象者になっているかもしれない。今の御時世、どこでどのように監視が行われているか分からない。ゆえに、この件に関して追加情報を公開することはないと思う。

 

文=MASK校長

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