今月20日(現地時間)、「リンキン・パーク」のボーカルを担当していたチェスター・ベニントンが自殺で亡くなったというニュースが音楽界のみならず世界的に衝撃を与えた。彼がこの世を去った20日は、親友で5月に自殺したアーティスト、クリス・コーネルの誕生日だったのだ。また、最近ワールドツアーをキャンセルしたジャスティン・ビーバーにも、精神的な不調が囁かれている。根深いアーティストとメンタルヘルスの問題。過去にメンタルヘルスなど心の病気を告白したアーティストのインタビューをご紹介します。

チェスター・ベニントン

「リンキン・パーク」のボーカルだったチェスター。彼は幾度もインタビューで自らのメンタルヘルスについて語っていた。今年発売されたシングル「Heavy」という歌について話しているのがコチラ。

「子どもの頃からずっと何かがおかしいと感じていました。ある行動や思いが繰り返し頭を巡るのです。以前に誰かから聞いて、ずっと残っている言葉があります。『(頭を差しながら)ここはとても危険なんです』。だから1人で歩くのはダメ。僕の抱えている多くの問題は、自分自身で引き起こしている問題です。この歌の意味は、そういうことに気づいて、問題があることを自分が理解すれば、遠目から観察することができる。そしたら問題の中心から離れて問題を解決できる、ということです」

他のインタビューでも「(頭の中は)とても危険な場所」という言葉を使っていたチェスター。

Rest In Peace, My Love 🙏🏽

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「ここの中にはもう1人のチェスターがいて、僕を攻撃しようとしているんだ」

また、「Heavy」のミュージックビデオでも2人のチェスターが戦っている。

最初から最後まで自分の葛藤と戦う内容の歌詞だが、サビは特に印象的。「耐え続けている/なぜこんなにも重いのか/握りしめる/僕には耐えられないくらいの重みを/僕をひきずり下ろそうとしているものを僕は引きずり続けている/手放すことができれば自由になれるのに」

グループの声明でも、常にチェスターの中にあった葛藤に触れた。

「『君を連れ去った悪魔は常に君の中にいたのだ』と、思い返しています。君がみんなの心を掴むきっかけになったのは、悪魔のことを歌う君の声だったのだから。君はそれを恐れずに表現し、僕たちを団結させ、人間らしく生きることを教えてくれた」

クリス・コーネル

チェスター・ベニントンの親友だったクリス。「サウンドガーデン」のフロントマンだった彼は、今年の5月にライブの数時間後にホテルで自ら命を絶つことに。不安神経症を患っていたクリスは、11年前のインタビューで鬱についてこう話していた。

「私はずっと鬱だった。長く続けば続くほど、その症状を心地よく感じるようになるんだ」
「片足を暗闇の中に置いていて、すごく孤立した世界にいた。そして8年前には、その世界が真っ暗になった」
「自分の最悪の敵は自分。ひどい態度を取るし、何も成し遂げられないと言うんだ」

一方で、結婚を経て、「愛し愛され、コミュニケーションを取ることでエネルギーが湧いてきた」とも話していただけに、彼の決断に驚く人は少なくなかった。

ゼイン

元『ワン・ダイレクション』のゼインも、不安神経症であることを明かしているアーティストの一人。症状に悩まされ、直前にライブをキャンセルしたことも記憶に新しい。摂食障害も患っていたようだけど、そちらはすでに完治したそう。

「イギリスに帰って、母がごはんを作ってくれたり、優しく世話をしてくれたんだ。それで失っていた心を取り戻すことができた」

しかし、不安神経症はまだ完全に治った訳ではないと『Vogue』誌に明かした。

「常に向き合っているよ。僕は、傲慢な人だとは思われたくないという気持ちから(不安に)なるんだと思う」

ブリトニー・スピアーズ

10年ほど前に、突如髪を剃るなどして世界を驚かせたブリトニー。原因だと囁かれていた"心の病"について、後のインタビューで明かしていた。

「例えばヘアスタイルが少しでも思うようにいかなかったら、すごく不安になったりしてたの。些細なことで、ものすごく不安になっていたのよ」
「パーティーやクラブ、いろんな場所で不安に襲われるわ。多くの人が集まる場所だとなおさら、不安でいっぱいの変人になっちゃうの」

カニエ・ウェスト

昨年、精神状態が不安定になり緊急入院したカニエ。2010年のインタビューでは自殺を考えたことがあると明かしていた。

「自殺を計画したこともあった。けど、もう人生を諦めたりはしない。自分の思いを伝えられない人が世界には大勢いる。俺は彼らのために生きる」

ビヨンセ

パワフルな女性を体現するビヨンセだけど、実は彼女もメンタルヘルスの不調に悩まされたことが。1年間の急用を要したという病状についてインタビューに答えている。

「色々なことが、あやふやになったの。今日が何日で、自分がどこにいるのかも分からなくなったわ」
「女性は罪悪感を持たずに、自分のメンタルヘルスのために休むべきよ。自分自身への気持ちや態度が表に出てきてしまうと、それがそのまま他人が自分に対して持つ印象になってしまうから」

レディー・ガガ

10代でレイプ被害にあったことで、長年にわたりPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされてきたことを明かしたガガ様。彼女はその他にも精神疾患を抱えており、昨年には「正気を保つために休息が必要だった」と語っていた。

<Billboard>のインタビューにその苦悩をこう話す。

「私はずっと鬱と不安神経症と戦ってきました。私は若い人たちに、その感情は人間としてごく普通であると知ってほしいわ」

セレーナ・ゴメス

昨秋に、以前から抱えていた"ループス"という症状をキッカケにツアーを中止し、テネシー州のリハビリ治療に入ったセレーナ。

休業に入る際の発言がコチラ:

みなさんがご存知の通り、私はループスを患っていることを約1年前に公表しました。ループスは人によって様々な影響が出ます。私は、うつ症状、不安感、パニック発作がループスの副次的影響として現れることを知りました。(治すには)どれも大変な戦いになるでしょう。

ジャスティン・ビーバー

最近、ツアーのキャンセルを発表したばかりのジャスティン。発表後、パパラッチに直撃された際には、「もう2年もツアーを回ってきたんだ。少し休むよ。自転車に乗りたいな」と発言。

さらにインタビューでは、名声のプレッシャーに耐えられなくなったとも。

「僕も人間なんだ。1日を乗り越えるだけで苦労している。ツアー中はとても寂しくなる。みんなにはキラキラした面しか見えていないけど、裏では引き裂かれるような思いになっているんだよ」

常に多くの人々の目に晒され、オンとオフの境界線が曖昧な職業柄、カラダと心のバランスを保つことが容易でないことは想像に難くない。ファンとしてはツアーの中止を残念に思う気持ちもあれど、彼らを追い込まないためにもアーティストたちの心の悲鳴に耳を傾ける必要がありそうだ。