老舗コクヨが利益重視の手堅い経営、今期は売上未達も利益を上方修正

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 コクヨは1905年創業の老舗で、伝票、便せん、複写簿などの文房具を「国誉」という商標で販売していた。1961年に社名を「コクヨ」に変えてから事業分野をオフィス家具、事務機器、オフィス用品通販に広げて大企業に成長してきた。

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 ところが2009年ごろから「低成長の常態化」が意識されるようになり、中期計画で低成長からの脱却と利益率の改善を打ち出してきた。7月24日にコクヨが2017年の上半期の決算を発表した機会に、その動きを見てみよう。

■2017年上半期(1-6月)実績

 売上高は1,658億円(前年比100%)と当初計画比22億円減、営業利益は128億円(前年比104%)で当初計画比13億円増、純利益は110億円(前年比133%)で当初計画比14億円増となった。

 ステーショナリー(文房具)関連事業は売上1%減を、コストダウンと商品構成の変化により営業利益は7%増とした。ファニチャー(オフィス家具)関連事業は、前年並みの売上でコストダウンと商品構成の変化により営業利益は4%増となった。

 通販・小売り(オフィス向けカウネット)関連事業の売上が4%の増収で営業利益が14%増となった。

 純利益は繰延税金資産の見直しにより、大幅増益となった。

■2017年通期(1-12月)見通し修正

 新規見通しは今期売上高は3,128億円(前年比102%)と当初計画比32億円減、営業利益は168億円(前年比109%)で当初計画比8億円増、純利益は139億円(前年比114%)で当初計画比14億円増となった。

 売上の低迷する中、利益率の高い新製品でカバーし、営業利益と純利益を改善する見通しである。

■中期計画の上方修正

 来期2018年通期を最終年度とする中期計画は既にこの2月に下記の通り修正を発表していた。

 来期売上高は3200億円(前年比102%)と当初計画比100億円の増加、営業利益は175億円(前年比104%)と当初計画比20億円の増加に上方修正を行っている。

 中期計画において「シェアと粗利率」にこだわり、中長期の持続的成長を目指すという方針の通り、売上高が伸び悩む中で確実に営業利益を伸ばしてきた。

 老舗企業らしく地道な努力で利益を伸ばしてきたが、東京オリンピック終了後のファニチャー(オフィス家具)事業の落ち込みの可能性を考えると、低成長からの脱却が引き続き今後の課題となってくる。