宿泊費高騰の京都で少しでも安く、そして快適に泊まる方法とは?

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京都に行ったとき、どこに泊まります? 京都は外国人観光客にも人気の旅行先。インバウンドの増加もあって、ここ数年、京都の宿泊費は年々上がっている印象。新しい宿泊施設も続々とオープンしています。

京都文化交流コンベンションビューロー「平成28年(16年)外国人客宿泊状況調査(年間集計)について」によれば、京都の宿泊施設の客室稼働率は14年末から16年までに約3%──、89・1パーセントに上昇。外国人の利用比率は、この2年で、28・9パーセントから37パーセントに急増しています。

そんな京都でリーズナブルに快適に泊まるにはどうしたらいいのかっ! 最新の京都の宿泊事情を取材してきました。

■新規オープンは、小規模の施設が主体

世界最大級の予約サイトのひとつ「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」の京都市内の宿泊施設の取り扱い軒数は、15年末から17年6月までに450から1100に倍増したそう。しかし、客室の数でみると、2万1500室から2万6500室と、増加はわずか5000室なんですって。ブッキング・ドットコムの西日本地区統括部長の高木浩子さんは、この数字についてこう説明します。

「京都では、ここ最近、町家やゲストハウス、アパートメントホテルなど、小規模タイプの施設の取り扱いが増えています。町家の取り扱い軒数は15年末から現在までで4倍になりました」(高木さん)

たしかに、ここ最近、町家を改装した一棟貸しの宿泊施設、ゲストハウスなどがオープンしたというニュースもよく耳にします。京都の宿泊施設のジャンルは多岐にわたるというわけですね。聞けば、現在、ブッキング・ドットコムが取り扱っている京都の宿泊施設のうち、77パーセントが5室以下の施設だとか。

鴨川のほとりに立地するザ・リッツ・カールトン京都や、2016年10月にオープンしたフォーシーズンズホテル京都など、京都には、1泊ン万円の世界的なホテルチェーンのラグジュアリーブランドもたくさんあります。日本資本のホテルに目を向けても、三井ガーデンホテルズが9月に、京都ならではの体験を提供する高価格帯ブランド「ホテル ザ セレスティン京都祇園」の開業を予定。それでもブッキング・ドットコムの取り扱い軒数で見れば、小規模の施設が多いというから驚きです。

で、いったいどんな宿があるの? というわけで京都の個性派宿をチェックしてきました。

 

■クチコミ評価は9.4! 外国人を中心に絶大な支持

JR京都駅から徒歩わずか3分の距離にある「ピースホステル京都」(全50室/定員125名)は、洗面台付きの個室(シャワーは共同)7割とドミトリー3割で構成されるホステルで、ドミトリーは2400円〜、個室は4000円〜。ブッキング・ドットコムのクチコミ評価は9.4(2017年7月28日現在)とかなりの高評価。また、インバウンドの利用が9割近くを占めるというのも特徴的です。

いったいなにがそれほど支持されているのかという疑問は、実際に伺ってみて氷塊しました。とにかく清潔で、しかもおしゃれ! 聞けば、インテリアはほぼオーダーメイド。多くの人たちがドミトリーに抱いている印象が覆されるのではないでしょうか。

2013年4月に同施設をオープンした田畑伸幸さんは、ビジネスホテルとゲストハウスの「いいところ取り」を追求。ビジネスホテルの機能性と快適さと、ゲストハウスのようなゲスト同士の交流をはかりたいと考え、「客室より、公共スペースのデザインにこだわった」(田畑さん)と言います。

ゲスト同士が交流しやすいように、1階フロントの奥は、広々としたキッチン・ダイニングスペースを配しています。さらにその奥は緑あふれるテラスが! ここでいただくビールは間違いなくおいしいことでしょう。朝食の無料提供、レンタサイクル(1日500円)など、旅行者のニーズに寄りそうサービスも人気です。

(写真/繁田諭)

共有スペースでは定期的に「たこ焼きパーティー」などのイベントも開催。「大人なんでドミトリーはちょっと」という人も、これだけ快適&清潔なら、ドミトリーもあり、かもしれませんよ!?  シャワースペースも広々としていてもちろん清潔です。それでもドミトリーに抵抗がある人は、個室に滞在して、その独特の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

■1床限定! 鴨川ビューの絶景ドミトリー

「え、本当にここにあるの?」と思うような、地味〜(失礼!)な雑居ビルの9階に位置するのは、「BOOK AND BED TOKYO 京都店」(20床)。2015年に池袋にオープンし、話題を呼んだ泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO」が、2016年12月、京都店を開業しました。外観は地味〜(しつこい)ですが立地は最高! 南座、四条大橋からほどちかく、祇園四条駅からわずか徒歩1分。祇園も徒歩圏内です。

「本の中で眠る」という本好きの夢を実現する、本棚のなかにベッドスペースが設けられた作りは池袋店と同じ。トイレ、洗面スペースなど、ゲストハウスとしての共用施設ももちろん完備していて、トースター、電子レンジ、電気ポットなども自由に利用できます。1名1泊4300〜4800円と、ドミトリーとしては決して安くない値段をどう捉えるかはそれぞれの判断によりますが、絶好の立地とたくさんの本たちに囲まれるという至福は、この施設ならでは。池袋店同様、天井から本がぶら下がっているというデザインもしゃれおつです。

なお、13時から17時は、1時間500円(税別)で時間利用も可能。観光に疲れてひと息つきたいとき、携帯の充電が不安なときなどに重宝するはず! 京都関連の本も充実しているので、観光の参考にもできちゃいます。なお、インバウンドの利用者は3割程度とそれほど多くなく、関西圏の人の利用が多いそうです。

そして、こちらには鴨川を見下ろすことができる窓のある特等席ならぬ、特等床(?)が一つだけ。値段はほかの部屋と同じ、とのこと。こちらを狙うなら早目の予約がおすすめです。

 

■ミレニアム世代に向けた、カプセルホテルの進化版

7月には、京都河原町三条に、ミレニアル世代に向けた、ライフスタイルホテル「ザ・ミレニアルズ」(152室)がオープンしました。

宿泊スペースは、カプセルホテルを進化させ、高い居住性と機能性・先進性を追求。上下を気にしない一段式で2.3mの高い天井を採用したり、照明とリクライニングベッドが起動したり、チェックイン時に渡されるipod touchアプリで照明・ベッド・アラームが操作できたりと、かなりハイテクな空間となっています。また、スライド機能を使い、ベッドをソファモードにすることでスペースが生じ、床に立って着替えることも可能。

また宿泊特化型でありながら、施設全体の20%もの面積を共用部に割いている点も特徴。宿泊者は、フロント・ロビーの他、ワークデスク・ミーティングルーム・プレイゾーン・キッチン・ダイニングスペースといった共用スペースを自由に使うことができ、“眠るまでをホテルの共用部で過ごす”という滞在スタイルを提案します。

価格帯は1泊6000円前後。共用スペースはコワーキングスペースとしても運営しているため、仕事もはかどってしまうかも!? 出張時にも利用できそうです。

京都の宿泊施設はバリエーション豊富! そして、これからますますその傾向が高まっていきそうです。上手に宿選びして、お得に快適にステイしたいものです。

>> ピースホステル京都
京都府京都市南区東九条東山王町21-1
(JR・近鉄・地下鉄京都駅から徒歩3分)

>> BOOK AND BED TOKYO 京都店
京都市東山区中之町西入ル200 カモガワビル9階
(京阪祇園四条駅から徒歩1分)

>> The Millennials
京都市中京区河原町三条下ル山崎町235 Gビル京都河原町 01
(阪急河原町駅、京阪三条駅、地下鉄三条京阪駅から徒歩5分、地下鉄京都市役所駅から徒歩4分)

 

(取材・文/長谷川あや)

はせがわあや/エディター・ライター

出版社でスポーツ誌の編集に携わった後、フリーに。現在は、各種媒体に、食、旅、アート、エンタメなど、ライフスタイル系の記事を寄稿。雑誌・広報誌等の編集にも携わる。