砂糖を過剰に摂取することで糖尿病やがんのリスクが高まると言われていますが、精神疾患のリスクも高まることがイギリスのユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究で明らかになりました。

Sugar intake from sweet food and beverages, common mental disorder and depression: prospective findings from the Whitehall II study | Scientific Reports

https://www.nature.com/articles/s41598-017-05649-7

High sugar intake linked with poorer long-term mental health 

http://www.ucl.ac.uk/news/news-articles/0717/27072017_sugar_mental

これまでの研究でも砂糖の過剰摂取と精神疾患のリスクの上昇との関連性は指摘されていました。しかし、これが因果関係かどうかは明らかではなかったとのこと。つまり、うつ病に罹患することで砂糖の摂取量が高まるという可能性が排除できず、砂糖を多く摂るとことが精神疾患のリスク上昇を引き起こすかどうかはわかっていませんでした。



UCLのアニカ・クヌーペル博士らの研究チームは、イギリスの公務員を対象とした社会的要因と疾患との関係についての大規模調査のWhitehall IIを活用して、砂糖と精神疾患リスクとの関係性を調べました。対象となったのは1985年から1988年のロンドンの33歳から55歳までの公務員で、サンプルサイズは1万308人、男女比は2:1でした。

調査対象となった人は、砂糖の摂取量に応じて3段階にクラス分けされて分析されました。その結果、砂糖摂取量が1日に67グラム以上と多い男性の上位グループは、1日に39.5グラム以下という中位グループの人よりも、5年後に精神疾患にかかるリスクが23%も高いことがわかりました。これに対して、精神障害を持つ人の砂糖摂取量を調査したところ、摂取量が多いということはなかったとのこと。以上の結果から、「精神疾患を抱える人が砂糖を多く摂る」というわけではなく、「砂糖を多く摂ることで精神疾患を招いている」可能性が強く推察され、砂糖の過剰摂取と精神疾患リスク上昇に因果関係があることがわかったと研究チームは結論づけています。



ただし、砂糖の摂取過多と精神障害との関係性が確認できたのはあくまで男性であり、女性には相関関係が見られなかったとのこと。クヌーペル博士はこの理由についてはわからないと述べており、より大きな母集団による調査が必要だと考えています。

イギリス人は健康を維持するために望ましい量の約2倍の砂糖を摂取しており、砂糖の摂取量を抑制する目的で2018年から導入される、清涼飲料水に対する砂糖税は、効果的であるとUCLの研究者は考えています。