プラダー・ウィリー症候群の10歳少年(画像は『The Sun 2017年7月21日付「THE BOY WHO CAN'T STOP EATINGBoy, 10, who tips the scales at 14st eats rolls of TOILET PAPER and dirt from the floor because he never feels full」』のスクリーンショット)

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満腹感がなく常に食べずにはいられない難病「プラダー・ウィリー症候群」をご存知だろうか。このほどその病を患う南アフリカ在住の10歳少年のニュースを『The Sun』『Oddity Central』など複数メディアが伝えている。

ムプマランガ州スタンダートンに暮らすケイデン・ベンジャミン君(10歳)は、珍しい遺伝子疾患「プラダー・ウィリー症候群」を患い、現在の体重は約90kgもあるという。

ケイデン君は3歳の時、すでに体重が40kgほどになり「息子の体はどこか悪いのでは」と心配した母のゾーラさんはケイデン君を連れて複数の病院を訪れたが、いずれも正確な診断を得ることができなかった。しかし後に、ハウテン州プレトリア市のザ・スティーブ・ビーコ・アカデミック病院の医師がその病名を突き止めた。

これまでケイデン君は朝食にチーズトーストを4枚食べ、1時間後にコーラと前の晩の残り物を平らげ、昼食には大きいサイズのチキンを2ピース、その後は1時間おきに何かしら口にするという食生活を送ってきた。「一時期はトイレットペーパーまで食べていたんです。家の中にある紙なら何でも口にしていました。他に食べるものがなければ、床に落ちているゴミをかき集めて食べていたこともあります」とゾーラさんは明かす。

この難病は全身の筋肉の緊張が低下し、少量のカロリーしか燃焼しないことから、食事量を徹底的に管理することが必要とされる。しかし常に空腹感に襲われコントロールせずにケイデン君のように食べ続けると、肥満となり臓器に深刻な影響を与えてしまうようだ。ゾーラさんは、ケイデン君の主要臓器がすでに悪化している状態であることを医師から聞かされ、息子のためにダイエットを強行する決心をした。

そこで台所の全ての戸棚や冷蔵庫には鍵をかけ、家から食べ物を隠した。日々、ケイデン君が空腹に苦しむ姿を目の当たりにしているゾーラさんは「酷いことをしている気分になります。でも医師に『息子さんに生き続けてほしいならダイエットをさせなければならない』と言われました。息子も必死に闘っています」と話している。

ケイデン君は時折不機嫌になり、八つ当たりされることも少なくないそうで「叩いたり首を絞めたりしてきます。息子の強さは私にはとてもコントロールできません。でもこれも病の一部なら、私は理解するしかないんです」とも語っている。

さらにケイデン君は数年前に気管切開をしているため、現在は気管にチューブを挿入して気道を確保している。肥満ゆえ、動くのもままならず呼吸も困難なケイデン君は、一日のほとんどをベッドかソファで過ごす。普通の10歳の子供がすることができないために、うつ病にもなり母親に泣きながら「外で他の子たちと遊びたい」と訴えることもあるという。

現在、昼夜とケイデン君を監視し世話をしなければならないためにゾーラさんは仕事ができず、薬代や月に3度通院する費用の捻出に困っているそうだ。自宅で作った料理を売ったりしているものの、費用を補うには不十分なようで寄付を受けて生活している。

医師には治療法はないと言われているが、ゾーラさんは「毎日が闘いで大変です。とにかく良くなってくれるようにと思わずにはいられません。他の同年代の子供たちと同じ生活が送れる日が来ることを私はただ祈るだけです」と諦めたくない気持ちを吐露している。

プラダー・ウィリー症候群は15,000人に1人の発症率と言われており、肥満や性腺発達不全、筋緊張低下、発達障害などを引き起こすとされている。食事療法などにより体重をコントロールし肥満に伴う合併症を防ぐことが重要であるとされるが、本人をはじめ家族のストレスは相当なものであり、専門医の受診が望ましいという。

画像は『The Sun 2017年7月21日付「THE BOY WHO CAN'T STOP EATINGBoy, 10, who tips the scales at 14st eats rolls of TOILET PAPER and dirt from the floor because he never feels full」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)