出色の活躍を見せた神村学園の高橋大悟【写真:平野貴也】

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インターハイ1回戦、キャプテンの活躍で済美を退け、まずは全国1勝

 俺は、屋久島出身者初の日本代表になる――。

全国高校総体(インターハイ)の男子サッカーが29日に宮城県で開幕。1回戦で神村学園(鹿児島)が済美(愛媛)を4-1で下し、2回戦に駒を進めた。

出色の活躍を見せたのは、屋久島出身のMF高橋大悟(3年)だ。

丁寧なラストパスでMF原田啓史(3年)の先制点をアシストすると、FWがポストプレーで前線に残したボールに左足を一閃してチームの2点目を奪取。さらに、後半に左からのグラウンダーのパスを中央でスルーしてMF中上黎士(3年)のゴールを演出すれば、1点を返されて迎えた試合終了間際には、ドリブルでGKを釣り出して技ありのループシュートでネットを揺らし、全4得点に絡んで見せた。

 キャプテンの高橋は、身長163センチと小柄ながら卓越した技術と得点感覚を持ち、1年次から活躍してきた。しかし、これまで全国大会には縁がなく「本当に、やっと(全国)という想いで、今まで悔しい想いをしてきて、やっと、この舞台に立ってのゴールなので、すごく嬉しかったです。(自分の力を)全国で少しは見せられたんじゃないかと思います」と、まずは初めての全国大会での活躍を喜んだ。

Jクラブの練習に参加し、U-18日本代表にも選出…「すごく新鮮で楽しかった」

 神村学園で成長を続けた高橋は、高校サッカー界の注目株となった。

 今年は、J1のガンバ大阪や清水エスパルス、J2のアビスパ福岡といったJクラブの練習に参加。6月にはU-18日本代表に選出されてポルトガル遠征を経験した。進路は「プロ入り」を決めている。夢は、屋久島出身者初の日本代表だ。

「僕は屋久島の出身なので、多くの人に勇気を与えられると思う。離島は、ハンデになる部分もある。そういう子たちに少しでも、あの人がプロに行ったんだから……という気持ちになってもらえるはず。将来の夢は日本代表。(進路は)プロしか考えていません」と言い切った。

 夏が終わるまでに、オファーを受けているクラブの中から進路を選ぶ予定だという。

 根っからのサッカー小僧は、より舞台や選手のレベルが高くなると、少し気持ちが落ち込む部分はあっても、克服することで上手くなれると感じてワクワクする。プロクラブの練習参加について話を聞くと「高校では余裕を持ってプレーできる場面でも、視線を上げたらもう目の前に相手がいて、プレースピードの違いを感じた。でも、すごく新鮮で楽しかった」と振り返った。

屋久島出身者として、勇気を与える存在に――思い描く夢には東京五輪出場も

 プロ、そして代表へ――。屋久島出身者として活躍し、勇気を与える存在になりたい。思い描く目標への階段には、2020年の東京五輪出場も含まれている。

 夢は膨らむばかりだが、まず今は初めてたどり着いた全国の舞台で、チームを勝たせるプレーに徹する。

 3年生になってからは、チームのエースとして、キャプテンとして、ゲームメークやチャンスメークもこなさなければいけなくなったが、その分だけできることも増えてきた。神村学園で磨いてきた力を見せつけるだけだ。

 翌30日に行われる2回戦では、関東第一(東京)と対戦する。勝てば勝つほど相手は強くなるが、高橋は「マークされるとしたら、楽しみ」と、また乗り越える喜びを味わおうとしている。

◇サッカー、男子が開幕インターハイのサッカー男子は29日に幕を開け、7日間にわたって熱戦が繰り広げられる。決勝は8月4日。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能となった。また、映像は試合終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。

平野貴也●文 text by Takaya Hirano