■実写版『東京喰種トーキョーグール』が上映開始

 7月29日から実写版『東京喰種トーキョーグール』の上映がスタートした。主演に窪田正孝を迎えるなど注目すべき点が多い作品だが、再現度や出演女優の出家など様々な不安が付いて回っている。しかし、当映画の原作はそんな不安を吹き飛ばす漫画であることに違いはない。

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■実写版『トーキョーグール』の概要

 『東京喰種トーキョーグール』は石田スイが週刊ヤングジャンプにて連載している漫画。彼のデビュー作であり、独自の世界観と丁寧な心理描写に定評がある。第1部が終わり現在では第2部として『東京喰種トーキョーグール:re』が連載中だ。今回、映画化されているのは基本的に1部パートが中心となっている。

 主人公である金木研(窪田正孝)は普通の大学生。唯一の趣味といえば読書で、母親から自己犠牲の尊さを教えられながら育てられていた。そんな彼は内向的な性格であったが、カフェでよく合うリゼ(蒼井優)と読書を通じて仲良くなる。しかし、彼女は東京に突如として出現した「喰種(グール)」という、人を捕食して生きる怪物だった。リゼに捕食されそうになる金木だったが、事故によって2人とも大きなケガを負うことになる。

 何とか一命をとりとめた金木だったが、その日から普通の食事が喉を通らなくなってしまう。実は、金木の命を救うため一緒に事故にあったリゼの臓器を移植されていたのだ。半分は人間だが半分は喰種となった金木は、両方の世界を知る唯一の存在として生活することを余儀なくされていく。

■まるで小説のような心理描写

 主人公である金木は人間としての自覚を持ちながら、人間の宿敵とも言われる喰種となってしまう。昨今では人類の敵である存在と闘う漫画や映画、アニメは飽和状態である。しかし、『東京喰種』は単純なバトルではなく、その間の存在となってしまう金木の心理描写が中心となっている。

 人間にもなれず喰種にもなれない金木は、事故の後はどちらの世界にも溶け込めずに孤立してしまう。つい人間を食べたくなるが、同族を食べそうになる欲求をかみ殺すシーンは漫画内でも随一の名シーンだ。2つの種族の特性を得ることでいいところ取りのようなイメージもあるが、本作では反対にどっちつかずになってしまうジレンマを見事に描いている。

 この辺りの設定は主人公である金木が小説好きなところに通じ、まるで小説のような読み応えのある心理描写となっている。また、喰種は特殊な能力を使えるものもおり、喰種同士のバトルも燃えるものがある。

 さまざまな魅力を備えている『東京喰種』だが、この魅力を実写化によってどこまで引き出せているのだろうか。様々な不安要素もあるが、怖いもの見たさで確認してみるのもいいかもしれない。