女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。

今回お話を伺ったのは、高橋玲奈さん(仮名・38歳)。彼女は去年4年間の結婚生活に夫側からピリオドを打たれ、この1年間、東京都足立区内のワンルームマンションでひとり暮らしをしています。

カラーコンタクトとまつ毛エクステをしており、セミロングの茶髪で毛先はパサパサになっています。手元はラメが入った黄色の透明ジェルネイルで、スマイルマークのアートが笑っている。格安スマホユーザーに人気のアンドロイドケータイと片手に持ち、そのケースには黒と白のヒョウ柄のラインストーンのキラキラのデコが施されています。

日焼けした肌に、ニット素材のノースリーブのオールインワン。インナーに着ているのは、ギャルブランドの水着。かなり豊満な体型だから目のやり場に困ります。黒の合皮素材の巾着風ショルダーバッグからメンソールのタバコを出して、火をつけました。

「ホントは電子タバコが欲しいんですけど、買う余裕がないというか。着ているモノもみんなメルカリで買いました。お金がないんですよね。なんでこんなに余裕がないのかって思いますよ。仕事をしても全然稼げないし。今住んでいるのは、北千住駅から徒歩20分程度のワンルームマンション。オートロックが譲れなくて、私の収入で探していたら駅から遠くになっちゃうんですよね」

玲奈さんの毎月の収入は少ない。お金の使い道についても伺いました。

「少ないですよ〜。月収15万円、家賃6万円、スマホ代2万円、食費3万円、光熱費1万円、その他は雑費です。食費は1日1000円しか使えないから、光熱費も含めると自炊よりも買ったほうが安いんですよ。だって、ちょっと料理するとガス代が5000円くらいになっちゃう。それならガスを解約して、カセットコンロとポットで生活したほうがお金はかからないんですよね」

現在の仕事は内装関連会社の事務と、飲食店のかけもちをしているそうです。

「事務の仕事は離婚したばかりの頃、日払いのアルバイトをしていたのですが、そのときのお客さんに紹介されたんです。勤務時間は朝9時〜13時まで週5勤務で、月12万円。雇用形態は固定給のアルバイトみたいなものです。飲食店のほうは3万円くらいかな。昼の会社のほうは家賃の確保をしなくちゃいけないと思って、通っています。家族経営の会社だから楽だし、何を着て行っても文句を言われないんです。これはホントに私にとって重要なこと。誰かに指図されるのが大嫌いなのでここの仕事は気に入っています」

玲奈さんの派手めに見える外見も、この職場だからOKだそうです。

「最初は白のブラウスと紺のスカートで行ったのですが、周りがカジュアルだからどんどん服がだらしなくなっていって、今はこんな感じ。周りがオジサンだらけだから、肌見せしたほうが喜ぶというか、周囲の視線がグサグサきて気持ちいいんですよね」

離婚してからの恋人は、30歳年上の男性だといいます。

「もうおじいちゃんだから、何をやっても許してくれるというか。周りの女友達の話を聞いていると、おじいちゃんと不倫している人は多いですね。そんなにお金は持っていないけど優しいし、こんなBBAに“かわいい”“若い”と言ってくれるのはホントに嬉しい。若い男の子と恋愛したこともあったんですが、見下されている感じがあるし、私も卑屈になってしまうんですよね。離婚した夫はまさにそんな感じの人だったんですよ」

33歳の時に玲奈さんは、5歳年下の団体職員の男性と結婚しました。

「バイトで知り合った超マジメな男子で、付き合っているうちは優しかったのですが、結婚して生活をするうちに変わってきて。味噌汁の出汁の味が変だと文句を言い、太っている私のことをデブと罵り……結婚生活の悲惨な話は、いくらあっても時間が足りません」

夫デスノートの中身は、夫が拷問されるイラストが中心だったとか。

家賃のために結婚したと言い切る玲奈さんが、夫デスノート離婚に至るまで〜その2〜に続きます