「価値観の違い」を感じる瞬間とは? 長続きさせる解決法・5つ

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恋人と別れた原因として「価値観の違い」を挙げる人は多いですよね。しかし実際のところ、価値観の違いとは何なのでしょう。そこで今回は、価値観の違いで別れた人の割合や具体的なエピソード、解決策についてご紹介します。

■価値観の違いとは?

はじめに、価値観の違いについて、ゆうメンタルクリニック総院長・精神科医のゆうきゆう先生から話を聞いてみました。

価値観の違いとは、多くの場合それぞれが「何を大切にしているのか=物事のとらえ方/優先度の違い」を指すと考えられます。

ある人が「お金はなるべく使わず、たくさん貯めるほどいい」という価値観を持っているとして、その恋人が「お金は使うために稼ぐもの。社会全体が潤うように使うべき」という価値観だとすると、そこにはギャップが生まれます。

育った環境や交友関係、経験、所属しているコミュニティなどによって価値観は違ってきますが、それ自体は問題ではなく、どちらか、あるいは両方が相手の価値観を否定してしまうことで、問題が起こりやすくなってくるのです。

■価値観の違いが原因で恋人と別れた人の割合って?

ここからは価値観の違いが恋人との関係にどのような影響を及ぼすのか、アンケート結果をもとに探っていきましょう。まず、価値観の違いが原因で恋人と別れてしまった人はどのくらいいるのか調査してみました。

Q.価値観の違いが原因で恋人と別れた経験はありますか?

はい……48.7%
いいえ……51.3%

価値観の違いが別れにつながってしまうケースは、およそ半分という結果でした。半数には満たなかったものの、数ある別れの理由の中では、それなりに大きな比重を占めていると言えますね。

■【男女別】「価値観が違う……」と思った瞬間って?

恋人と過ごす中でどのような瞬間に「価値観の違い」を実感するのでしょうか。「自分とは価値観が合わない」と感じた瞬間について、男女別に話を聞いてみました。

【男性】

◇金銭感覚のズレ

・「金銭感覚が一番大きい。このまま彼女といると破産しちゃうと思った」(36歳/その他/その他)

・「何かを買おうとしたとき、金額を考えず、すぐにクレジットカードで即買いしようとしていたこと」(39歳/情報・IT/技術職)

◇結婚への考え方

・「家族に対しての対応が違うときに感じる」(38歳/医療・福祉/専門職)

・「自分は結婚したら共働きでともに家計を形成していくのがよいと考えていたが、彼女は仕事を辞め専業主婦になることが自分のゴールだという考えを貫き続けた」(33歳/通信/事務系専門職)

◇住環境へのこだわり

・「部屋が汚いことは許せるが、キッチンが汚いのは許せないから」(35歳/情報・IT/技術職)

・「食器を洗うスポンジで台所のシンクも一緒に掃除をすること」(37歳/その他/事務系専門職)

◇趣味に対する理解がない

・「自分の好きなものをまったく理解してもらえなかったとき」(29歳/団体・公益法人・官公庁/その他)

・「趣味の物集めなど、その物に対しての価値観」(37歳/その他/その他)

【女性】

◇金銭感覚のズレ

・「化粧品が高すぎると言われて別れた」(23歳/小売店/販売職・サービス系)

・「お金をバカみたいに使うことがあり、自分は節約好きなので、お金に関しての価値観が違うと思った」(34歳/通信/秘書・アシスタント職)

◇食べ物の好き嫌い

・「食べ物に関する違い。相手が嫌いな食べ物が多すぎて、いつも決まったチェーン店にしか行けなかった」(27歳/医療・福祉/専門職)

・「食べ物の趣味が合わなかったので、価値観の違いを感じました」(33歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

◇優先順位の乖離

・「簡単に仕事を無断欠勤したとき」(34歳/その他/その他)

・「仕事や働き方に対しての考え方」(32歳/医療・福祉/事務系専門職)

◇デートより自分の都合が優先

・「自分は忙しくても好きなら少しでも会いたいと思うが、相手は忙しいから会えないと決めつけてしまう」(35歳/医療・福祉/専門職)

・「会う曜日を忘れてしまい彼にいつ会う予定だったか聞くと激怒! もう会う気がなくなったと言われ次の日に別れました。訳がわからない」(27歳/医療・福祉/専門職)

◇男尊女卑な発言

・「男の浮気は遊びだが、女の浮気は本気。だから俺が浮気しても別にいいが、お前はするなと言われた」(25歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

・「『女だから』的な発言をされたことがあり、違うなと感じた」(37歳/金融・証券/専門職)

金銭感覚の違いは、男女とも共通で挙げられた意見でした。また、男性は自分の考え方に対する理解がないことへの不満が多い一方で、女性は自分の存在をないがしろにされることへの不満が多いようです。お互いに相手を思いやる気持ちが大事なのかもしれませんね。

■価値観が違うカップルの解決策とは?

最後に、価値観が違うと感じているカップルへの解決策について、ゆうメンタルクリニック総院長・精神科医のゆうきゆう先生からアドバイスをもらいました。

◇「違っていて当たり前」ということを知る

特に女性は、親密な相手に共感を求めたくなるものです。しかし、違う価値観に触れることで、共感だけでは解決できないことを“補い合える”ということも少なくありません。そもそも「価値観が全く同じ」という相手はいませんから、「違っていて当たり前」という認識を持ちましょう。

◇相手の価値観に関心を示す

相手の言動に違和感を覚えたときこそ、「この人は何を優先してこのような行動をしているのか」ということに関心を持ってみましょう。行動の根底にある価値観がわかると、「価値観の違い」ポイントが明確になります。

◇相手の価値観を否定しない

相手が自分と真逆の価値観だったとしても、否定する理由にはなりません。「合わないな」ということはあっても、相手を否定することではないのです。価値観のいくつかはアイデンティティと結びついていることがあるので、安易に否定するのは禁物です。

◇自分の価値観を開示する

相手の価値観に対して「自分はこういうことを大切にしたい」と自分の価値観を開示することは、お互いの心をオープンにして歩み寄ることでもあります。“察してほしい”でも、“あなたは間違っている”と責めるのでもなく、「自分はこうだ」と話しましょう。

◇双方の歩み寄りを試みる

価値観が違うことで衝突した場合、「お互いの歩み寄れるポイント」を探っていくことがとても大切です。どちらか一方に従わせようとするのではなく、お互いの違いを知って、必ず「お互いが歩み寄る」ことを心がけましょう。

■まとめ

いくら好きなパートナーであっても、お互いに違う環境に生まれ、育ってきた以上、完全に価値観が一致することはないと思ったほうがいいのかもしれません。ただ、最初は合わなくても、一緒に過ごすうちに価値観が似通ってくるケースもあります。「価値観が違うな」と思ったら、まずはその違いをカバーできる何かを探すことが大切なのかもしれませんね。

(監修:ゆうきゆう、文:ファナティック)

※画像はイメージです

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2017年7月13日〜7月14日
調査人数:392人(22〜39歳の働く男女)