朝鮮半島の地政学リスク高まる中、7月雇用統計 8月1週目のドル円為替は

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 結果的にドル売りが先行、1ドル111円台を割り込む形で7月4週目を終えた。7月29日4:00(すべて日本時間)には1ドル110円55銭の下値をつけたが、調整も入り、1ドル110円70銭まで戻しクローズしている。ドル売りの材料だけが豊富になっていく状態だが、8月1週目はどうなるだろうか。

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 7月28日21:30に米第2四半期のGDP速報値が発表された。結果は+2.6%と、第1四半期の+1.2%から比べると大幅アップだ。しかし事前予想の+2.7%は下回った。追加利上げやバランスシート縮小開始の鍵を握っているインフレだが、雇用コスト指数が+0.5%と事前予想の+0.6%を下回り、前回の+0.8%から大きく後退した。雇用コスト指数の鈍化は賃金の低迷ぶりを示している。期待していたような結果ではなかったことからリスクオフとなり、1ドル111円19銭から1ドル110円84銭まで急落。売りが一巡して反発するも、日付の変わった0:00ごろに北朝鮮のICBM試射のニュースが飛び込み、地政学リスクを警戒して再びドルが売られるようになった。北朝鮮の度重なる挑発に対して、ジョゼフ・ダンフォード総合参謀本部議長とハリス太平洋司令が軍事的対応について協議をしたという報道もある。予断を許さない状況だ。最悪のシナリオが展開されると、さらにリスク回避の動きは強まるだろう。

 来週、8月1週目にはインフレ率の指標になる6月個人消費支出(PCE)、個人所得、PCEコアデフレータの発表がある。こちらが12月の追加利上げ、またはバランスシート縮小開始の鍵を握ることになるだろう。金利先物市場でも12月利上げ観測はついに30%台まで落ち込んだ。8月4日には7月雇用統計の発表があるが、こちらの注目も雇用以上に賃金動向になってくるだろう。年内の追加利上げとバランスシート縮小開始がドルの下支えになっているだけに、この観測がさらに後退するとドル売りはさらに加速することになる。トランプ政権のアジェンダ実現が遠のく一方、期待はインフレの改善しかないのかもしれない。