何気ない会話の中で「普通の人生」という言葉を使うことがある。だが、その「普通」はとても幸せなことなのかもしれない。

はてな匿名ダイアリーには7月26日、「『普通の大人』になるので精一杯だった」という投稿があった。投稿者は両親との死別を機に、環境が一変し壮絶な人生を送ってきた人物で、

「必死に『普通の子』というポジションにしがみついた」
「この普通の、何の変哲もない、平凡極まりないポジションを得るためにどれだけ大変だったか」

と「普通」を追い求め続けた心境を綴った。

「怠慢の結果ってあんまりだ。環境的ブルジョワはいつだって残酷」

壮絶な人生の始まりは、片親の死だ。残ったもう片方の親は子育てをできる人間ではなかったため、親戚の家を転々とする。行く先々で肩身の狭い思いをし、居場所がなくなった投稿者は、小学校卒業後に施設に入ることに。そこでの環境は劣悪で、馴染めなかった投稿者は、いじめに遭ってしまう。勉強にも苦労する状況だったが、「普通の子」のポジションを目指し、勉強を頑張り平均点はキープしたという。

高校卒業後は大学に進学せずに就職。ブラック企業だったが4年勤務し、お金をため資格をとって転職。平均的な収入を得て、結婚もした。

「夢に描いていた、普通の生活ってやつをようやく手に入れた。私にはこれが精一杯だった」

しかし、周囲からは「努力不足だったんじゃないか」などと嫌味を言われる。事情を知らない人は、「もっと上を目指せばよかった」「今の結果は貴方の怠慢が招いた結果なんだよ」など心無い言葉を浴びせる。これに対して投稿者は、

「だって無理。私には無理だった。今以上頑張るなんてあの状況じゃ無理だった」
「それを怠慢の結果ってあんまりだ。環境的ブルジョワはいつだって残酷だ」

と憤りをあらわにし、「私も来世ではそういう家に産まれたい。そういう特権階級を持つ家に」と結んだ。

「十分頑張ったよ。そんな心無い言葉に耳を傾けないでいい」

この投稿に対し、はてなブックマークでは投稿者に対する同情の声で溢れている。

「増田(編注:投稿者)十分頑張ったよ。そんな心無い言葉に耳を傾けないでいい。そんな環境でいじけず頑張れるなんて、ほんと凄い」

恵まれた環境で育った人は、その環境が当たり前だと思い込み、意図せずしてマウンティングすることがある。だが投稿者の状況を思うと、あまりにも酷だ。「考えて考えて生き抜いてる増田は本当に立派だよ」と擁護する人もいた。

一方で、投稿者は「普通」にこだわるあまり力みすぎだ、という指摘もあった。

「本当に今の自分に満足してるなら見ず知らずの他人の言葉なんて気にならないと思う」
「人と自分を比べることを止めることさえできれば、もう充分幸せなはず」

壮絶な人生に翻弄されながらも腐らず、自分の幸せを追い求めて生きてきた投稿者に対し、「いまが幸せなら十分です。家族と幸せにね」「絶対これからどんどん幸せになる人やと思う」など、励ましの言葉が相次いでいた。