20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいる。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、都内の通販と取り扱う企業のテレアポとして働いている小森恵梨香さん(仮名・31歳)。明るめの茶髪のゆる巻きに、今流行りの刺繍が入ったシフォンブラウスを着こなしている姿はいまどきの女性といった感じです。やや下がった瞳と丸顔からか、年齢より若く見えます。男性からは万人受けしそうな印象を抱く、彼女のセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は静岡県で、両親と弟の4人家族です。実家は建築関係の会社をおじいちゃんの代からしていて、父はその家業を継いでおり、母親は専業主婦です。弟は将来その仕事を継ぐために、今は県内の別会社に就職して修業中です。小さい頃から父は寡黙な感じでした。特に厳しかった記憶はないんですが、しっかりと会話をした記憶もないんです。父とは対象的に母親はとにかくよくしゃべる人で、楽天家でしたね。どちらかというと、私は母親の性格に似ていて、あまり深く考えずに行動してしまうことが今でも多いですね」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「大学時代です。中学、高校とまったくモテなくて、恋愛の雰囲気さえなかったです。大学でもモテてはいなかったんですが、大学から東京に来て、友達主催の同じ地方出身者で集まる飲み会で知り合った1歳年上の先輩と付き合いました。

彼は明るいお調子者キャラで、波長が合ったんですよね。みんなでワイワイするのが楽しくて、飲み会後に酔っ払った状態で2人きりになって、勢いでエッチしちゃったのが始まりでした。そこからは友達みたいなノリで過ごしながら男女関係はあるような友達以上の関係がしばらく続いて、私がしびれを切らして告白して付き合うようになりました。でも、ちゃんと付き合ってからは2か月ぐらいで振られました。別に好きな人ができたという理由で……。私のこと絶対に最初から好きじゃなかったんだろうなと、しばらくは落ち込みましたよ」

その後アパレルブランドの販売員として働きだした中、とある男性と出会います。

「仕事は毎日忙しくて、ノルマもあって大変でした。でも、私は男性にはモテないんですが、同性とはすごいうまくいくタイプで、女社会ではモテモテでした。同じブランドの販売員以外にも、隣のショップの店員さんとも仲良くなって、週3〜4ペースで飲みに行っていましたね。

そして、女友達の友達だった同い年の男性と知り合いました。彼は友達いわく女たらしで、誰にでも優しく接するタイプでした。友達からの忠告もあったので、最初は友達として彼と付き合っていたんですが、気づいたら好きになっていました。久しぶりに女性扱いを受けて、簡単に落ちてしまったんです。好きになったら黙っていられるタイプじゃないので、彼にすぐ告白をしました。そしたら、返事もないまま男女の関係になってしまって……。結局付き合うとか何もないまま、セフレのような関係になってしまいました……」

いつか彼女になれると思っていたけれど、全く見込み無し……

その関係をズルズルと続けていく中、彼女へ昇格を夢見ていたそうですが……。

「彼との付き合いは4年になっていました。友達も呆れて何も言ってこないようになっていましたね。そんな時、彼に本命彼女がいることがわかりました。彼女とは付き合って1年ほどで、彼の男友達には報告しているような公認の関係になっていたみたいで……。

私は彼の友達なんて誰も紹介されていないのに、しかも私のほうが3年も前から一緒にいるのに、彼女になれなかったんです。もしかしたらいつか彼女にしてもらえるかも、という夢が散りました。そんなひどい仕打ちをされているのに、どうしても彼のことが嫌いになれなかったので、仕事を辞めて、家も引っ越しして、携帯番号も変えました。彼から連絡があれば会ってしまうので、その手段を断ち切ったんです。

でも、もしかしたら彼は私がいなくなったことで、私への思いに気付いて探してくれるかもとまだ淡い期待はありましたが、共通の女友達から、私がいなくなってすぐに彼が彼女と婚約したと聞いて、ボロボロになりましたね。そこからはコンパには誘われたら参加していましたが、しばらくは恋愛をお休みしていました。そして30歳を目前に、このままじゃまずいと思って出会い系アプリで出会いを探すようになりました。そしてそこで1人の男性に出会ったんです。誠実な彼と付き合うようになって、やっと幸せになれると思ったんですけど……」

セフレの関係が4年も続き、その後その彼は他の女性と婚約……。どん底で出会った誠実そうな彼こそ運命の人、と思ったそうですが……。

恋愛休止中に出会い系アプリで出会った彼。出会いを重ねる度に彼の誠実な部分に惹かれていったのに、それは偽りの姿で……〜その2〜に続きます。