近年、日本中で観光列車がブーム。なかでもJR四国が運行する「伊予灘ものがたり」は、乗車率が9割を超えるなどトップクラスの人気を誇る。

 その路線の途中、伊予灘に面した場所にある伊予上灘駅では、ワンコとねこの名物コンビがお出迎えしてくれる。犬の名前はリセ(♀・9歳)、この駅の駅長だ。そしてねこの名前はトラ、「福」駅長という役職を仰せつかっている。

 2匹が身につけている制帽は、飼い主の北山博正さん夫婦が手作りしたもの。約3年前、定年を機に伊予市に移住した夫婦は、そのとき長女が飼っていたチワワのリセを譲り受けた。そのリセを連れ、伊予上灘駅で特産品の販売を手伝っていたところ、観光客から「(リセに)駅長さんになってほしい」と要望され、ワンコ駅長が誕生した。

 トラは2015年の秋、近所の空き家で野良ねこが産んだ赤ちゃんだ。子ねこは最初、3匹いたが、次第に数が減っ ていった。そこで北山さんが、生き残ったトラを保護し、家族の一員として迎え入れたのだ。リセといっしょに駅に連れていくようになり、昨春から「福」駅長を務めている。

 2匹が「出勤」するのは、土日、祝日の昼の12時過ぎ。観光列車が到着する12時22分から出発するまでの約17分だ。特産品が販売される改札口付近で、乗客らを“おもてなし”。見知らぬ人に囲まれ、なでられても、2匹は台の上の「駅舎」におとなしく座っている。

「2匹は家では喧嘩もせず、仲よしです。トラは、家では元気に走り回って遊んでいますが、駅に来ると勝手が違うからか、じっとしていて、まさにねこをかぶっています(笑)」(北山さん)

 リセとトラのおかげで、地域の皆さんと打ち解け、友人もたくさんできたと語る北山さん。いまや地元の活性化に、なくてはならない2匹なのです!
(週刊FLASH 2017年4月25日号)