窪田正孝『東京喰種 トーキョーグール』インタビュー  クランクイン!

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 全世界、37の国と地域で刊行され、熱狂的なファンを持つ石田スイ原作の人気コミックが、ついに『東京喰種 トーキョーグール』として実写映画化された。ある事故によって半喰種になってしまった主人公・カネキを演じるのは、石田氏から「カネキを演じるのは彼しかいない」と絶大な信頼を受けた俳優・窪田正孝だ。「すごく大きなチャンス」と思う一方で「本当に良かったのかなと今でも不安に思う」と語った窪田の胸の内に迫る。

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 「身に余る光栄なのですが、断る選択肢もあったと思うんです」とオファーを受けた当時のことをゆっくりと語り出した窪田。これまでも数々の作品に出演し、人気コミックの実写化の経験もある。賛否が飛び交うことも十分承知しているだけに「自分も大好きな作品なので、本当にこれで良かったのかなと今でも思っているんです」と心情を吐露する。

 その不安は公開が近づくにつれ大きくなっているという窪田だが、一方で「大きなチャンスをいただいたと思ったし、原作者の先生に背中を押していただけたからこそ、救われた部分もありました。現場に入ってからは“やるしかない”という思いで集中しました」と覚悟を決めて作品に臨んだことを明かす。

 窪田演じるカネキは、人間でありながら、ある事故によって、人を喰らうことでしか生きていけない喰種としての道を迫られる人物だ。「人間か喰種か」というカネキの葛藤には、多くのテーマが内在する。「人間って朝昼晩ちゃんとご飯を食べて、しっかり仕事をして、家族を守る……どれだけ美しく生きることが許されているんだろうと思うんです。豚や鳥、牛にとっては、僕らの方が喰種なんですよね」と“半喰種”としての解釈を提示する。

 こうしたテーマで映画を観ることによって、多面的な作品の魅力が浮かび上がってくるという。「人間と喰種という対立構図になっていますが、人の持つ両面的な顔ととらえると、誰にでも身近に感じられると思います。例えば心で思っていることを、言葉には出さないことが多い。でも人の持つ表面の感情が人間で、心のなかの感情が喰種と考えると、やっぱり人間と喰種って、背中合わせの存在なんだと思うんです」。 多くのことを深堀して臨んだ本作。かなり自身の身を削った芝居をしたように見受けられるが「役者という仕事をしている時点で変人だと思うんですよね。演じることって自分のなかにあるものを惜しまずに出していかなければいけない」と持論を展開する。しかし、以前あるプロデューサーから「そのやり方だといつか精神崩壊する」と言われたという。

 実際、自分のなかにあるものを出し切ると「空っぽ」になってしまうことは自覚しているという窪田。それでも「いまはその生き方しかできないから、たぶんもがき続けるしかないんだと思います」と達観する。こうした考えは、本作に携わったことで、再確認できたという。

 『東京喰種 トーキョーグール』は、7月3日にロサンゼルス、7月7日(共に現地時間)にベルリンでプレミアが行われるなど、世界中から注目を集めている。そんな状況に窪田は「海外の人にとっては、この映画は“外国映画”になるんですよね。ハリウッド作品などはCGもすごく、この映画がどう映るのかは想像ができませんが、世界で通用する作品になっていると思います」とアピールしていた。(取材・文・写真:磯部正和)

  映画『東京喰種 トーキョーグール』は7月29日より全国公開。