エントリー・レベルのGTレースカー、「メルセデスAMG GT4」がベールを脱ぐ

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メルセデス・ベンツから昨年末に予告されたエントリー・レベルのGTレースカーが、ついに今週末にベルギーで開催されるスパ・フランコルシャン24時間耐久レースでその姿を表す。

この「メルセデスAMG GT4」と名付けられたモデルは、「メルセデスAMG GT R」をベースに、FIA GT4カテゴリに合わせて仕立てられた競技用車両だ。既に世界各地のサーキットで活躍している「メルセデスAMG GT3」より手頃な価格で販売される予定だが、下位のカテゴリであっても、強力なマシンであることは間違いない。


スパ24時間は今後、GT4が参戦するレースであり、そのデビューには相応しい舞台となるだろう。まだ最終的に完成しているわけではないが、コースに登場する時の姿にかなり近い。年内に開発テストをこなして最終調整した後、年末には顧客の手に渡ることになっている。メルセデス初のGT4レースカーは、「SLS AMG GT3」の後継となったメルセデスAMG GT3と共に、スプリントから耐久レースまで、様々なレース・シリーズで見るようになるだろう。



メルセデスAMG GT4にはGT R、GT3の開発で培った技術が盛り込まれている。全てのGTレースカーと同様、ベースとなったロードカーのコンポーネントも使われているが、エントリー・レベルとはいえ、その性能は公道で見掛けるモデルから大きく掛け離れたものだ。エンジンはGT3とは異なり、公道用のメルセデスAMG GTと同じ4.0リッターV8ツインターボを搭載するが、最高出力510psp、最大トルク61.1kgmと、レースの性能調整によりGT Rよりも抑えられている。そのパワーは6速シーケンシャル・ギアボックス(7速DCTではなく)を介して後輪に伝えられる。しかし、公道仕様車と大きく異なる点は他にもある。

ボディはアルミとカーボンファイバー製で、コクピット部分は軽量なアルミニウム製のスペースフレーム構造。カーボファイバー製のボンネット、フロント・スプリッタなどは全てGT4専用だ。フロント・フェンダーとトルクチューブは、GT Rでも既にカーボンファイバー製なので、GT4にもそのまま使われている。現代の多くのレースカーと同じく、メルセデスAMGもドライバーの安全性には大きな力を入れている。車内にはハイテン鋼のロールケージが張り巡らされ、カーボン製のセーフティセルはオプションで助手席側にも装備可能。ルーフには脱出用ハッチが備わり、消火装置も搭載されている。



サスペンションはダブルウィッシュボーン式に、調整式のダンパーが組み合わされている。18インチの鍛造ホイールには、前305/660-18、後305/680-18サイズのタイヤを装着。フロントに6ピストン、リアに4ピストンの固定式ブレーキ・キャリパーを備え、ABSとトラクション・コントロールはクルマの性能を最大限に引き出せるように調整可能となっている。

現代のクルマにおいて重要な要素がエアロダイナミクスだ。それは公道仕様でもレース仕様でも同じである。GT4のフラットな前面部分には、前方に傾斜したラジエーターが隠れている。これにより整流とエンジン冷却を向上させる効果がある。空力特性については、メルセデスAMGはGT4を極力ニュートラルに仕上げようと試みた。そうすることで各チームやドライバーが好みに応じてサスペンションやABSを調整できるからだ。

顧客には今年末から納車が始まる見込みで、価格は税別で198,850ユーロ(2,590万円)。決して安くはないが、そのままGTレースに参戦できるトップ・レベルのレースカーと考えれば、妥当なところだろう。

By REESE COUNTS
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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