2017-0728
先に【2017年の全体喫煙率18.2%、男性3割切れ継続・女性は9%にまで減少(JT発表)】で伝えたように、JTは2017年7月27日に、2017年分となる「全国たばこ喫煙者率調査」の結果を発表した。この発表資料には年齢階層別の喫煙率も掲載されており、当サイトが中期的に定期更新している「年齢階層別喫煙率推移」(JT発表資料ベース)の各値も、最新値を盛り込むことが可能となった。そこで今回はその反映をした上で、最新の喫煙率状況を中長期的な流れで把握できるグラフを作成し、状況を精査することにした。
今回入手したデータを元に、1965年以降版、そしてもう一つ別途のグラフとして、最近の動きが良くわかるように取扱い範囲を2001年以降に限定した版が次の図。

↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(-2017年)
↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(-2017年)

↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2017年)
↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2017年)

JT側では2006年前後に調査方法を変更しているが、それについては「調査方法の変更により直接の連続性はない」と説明している。しかしその変化内容を確認すると、2006年以降は調査母体数をほぼ倍増し、回収方法を「訪問回収」から「郵送回収」に変更したことに限られていた。訪問と郵送による回収率・回収応答者傾向の違いはあるが、両調査結果の質の大勢には影響を与えないものと推定できる(実際、回収率の変化もほとんど見られない)。

そこで今件においては「2006年以前・以後のデータに直接的な連続性はない」ものの、「喫煙率の動向を推し量る中長期的な観点でのデータ検証上では、その誤差は無視・容認できるもの」と定義し、精査を行う。

さて今回2017年分を反映させたが、一年で大きく状況が変わることは無く、

・男性は減少傾向。特に50歳以降の高齢者、また最近では20代の若年の喫煙率減少が著しい。

・女性は1980年前後を境に「高齢層>若年層」から「高齢層<若年層」に。

・女性は高齢者の喫煙率は減少傾向にあるが、50歳以下、特に20代から30代の喫煙率が前世紀末では上昇していた。中でも20代はこの40年で喫煙率が2倍増になった。

・今世紀に入ってからは女性で「若年層…横ばいか減少」「中堅から高齢層…横ばいか微増」となり、前世紀末期とは逆の動きを示している。中でも20代から30代は減少を続けており、再び「高齢層>若年層」への流れが見えている。

などの傾向が見られる。

上記グラフでは分かりにくい部分もあるが、ここ数年に限ると、男女ともに若年層の喫煙率の減退と、特に女性における中堅層以降の足踏み感の気配が見受けられる。単年ならばイレギュラーと解釈することもできるのだが、ここ数年に渡る値動きは、下落とは解釈し難く、横ばいと見た方が道理は通る。今件は喫煙者数ではなく喫煙率であり、高齢層人口の増加との直接的な関連性は無いが、注視すべき動きには違いない。

↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2012年-2017年)
↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2012年-2017年)

女性において若年層にあたる20代、30代はともかくも40代以上で喫煙率の減少に足踏み感が見えるのには大いに留意が必要である。人口比では高齢層の方が多い以上、その層で喫煙率が減少しなければ、今後全体の喫煙率も横ばい、さらには上昇を示す可能性が出てくるからだ。