政治の混乱が続く中、天真爛漫な女の子ロボットが霞ケ関の人々に問いかけます。

©鳥山明/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

東京メトロの駅に掲示されている週刊少年ジャンプ(集英社)とのコラボレーションポスターが、遊び心たっぷりと話題をさらっています。

東京メトロ広報部に、ポスターの“裏側”を聞きました。

ポスターは139種類!

ポスターは7月15日から、東京メトロ全179駅のうち171駅で掲示。各駅・路線ごとに計139種類を制作しました。

秋葉原駅など20駅で実施中のスタンプラリーと、六本木アーツセンターギャラリーで開催中の企画展「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展 VOL.1 創刊〜1980年代、伝説のはじまり」を告知しようと、当時のキャラクターたちを採用しています。

▼イチョウ並木が有名な港区の銀座線・外苑前駅(こちら葛飾区亀有公園前派出所)

©秋本治・アトリエびーだま/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

▼高級住宅街として知られる日比谷線・広尾駅(銀牙―流れ星 銀―)

©高橋よしひろ/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

▼東京大学本郷キャンパスの最寄り、南北線・東大前駅(DRAGON BALL)

©バードスタジオ/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

▼作中でライバル校がある設定、副都心線・池袋駅(ろくでなしBLUES)

©森田まさのり/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

▼池袋の次は「ぞうしがや」だよ。副都心線・雑司が谷駅(DRAGON BALL)

©バードスタジオ/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

ひねりの利いた刺激的なキャッチコピーは駅利用者の目を引き、まるでコレクションするように次々とSNS上に写真が投稿されています。

東京メトロの担当者も「面白い企画でしたが、正直、こんなに話題になるとは思いませんでした」と明かしました。

ファンにぐっと来るネタを

絶妙な惹句やキャラクターの選定では、膨大な過去作品を読み込んで、大勢の駅の利用者に響く内容を意識したといいます。

「その漫画のファンだとぐっとくるネタ」と「ファン以外でもおもしろいネタ」をうまく散りばめて、キャンペーン全体が幅広い世代に興味を持ってもらえるものに設計していきました。

「シティハンター」の冴羽獠(さえば・りょう)を載せた新宿駅や、「キン肉マン」のサンシャインを載せた東池袋駅のように、その街や名所にひも付いているキャラクターをなるべく探し出しました。

「Dr.スランプ」のアラレちゃんを載せた霞ケ関駅の「だいじんってつおい?」などのように、このキャラクターがこの駅に降り立ったらなんて言うだろう?という視点で書いているものもあります。

永田町駅のポスターは、現役の国会議員がTwitterに写真を投稿して特に注目を集めました。

▼日本の中枢にある半蔵門線・永田町駅(DRAGON BALL)

©バードスタジオ/集英社 提供:東京地下鉄株式会社

描かれているドラゴンボールの「フリーザ」は、宇宙最強の凶悪な侵略者である一方、部下にも常に敬語で接し、実力主義で有能な人材は敵であってもスカウトします。その高いカリスマ性から、理想の上司像としても人気です。

もともと決まっていた掲載期間ですが、偶然にも「上に立つ者の資質」を巡って永田町が騒がしい時期と重なる形となりました。

悪役ながらも「理想の上司」として定評のあるフリーザのキャラクターを最大限に引き出すために、東京でも特に優秀なエリートが集まる街のひとつである「永田町」をチョイスしました。

実現まで2年以上、思いが報われた

予想を超える反響を受け、企画した広告代理店・博報堂と集英社の担当者の喜びもひとしおです。

企画の提案はもう2年以上前になりますが、その頃からの狙いを大きく変えずに、設計通りに世の中に送り出すことができました。

しっかりと話題となって返ってきてくれことに、素直に嬉しく、ここまでのエネルギーを注いできたチームの思いが報われたなという気持ちです。

掲示は8月31日(木)まで。

こだわりポスターを、ぜひ自身の目で確かめてみてください。