東京駅、午前1時。ロケが予想以上に延び、東京駅に夜中の1時過ぎに到着したときでした。

各方面の終電が終わったこの時間に、忙しくなるのが駅前バスターミナルです。八重洲口の各のりばは、灯りを消す寸前の駅の“店じまい”の雰囲気とは対照的に、長蛇の列。1時過ぎに出発する「深夜急行バス」に乗って、自宅に“ホームスライディング”をキメようとする人たちです。

客室は、ほぼ満席。補助席の利用者も出るんじゃないかというほど盛況。現金のほかSuicaも利用でき、運転手に降車地を伝えて、支払い料金が入力されて、カードリーダーにピッとやって席につきます。

1時過ぎ、「それでは出発します」と運転手の肉声アナウンスが入り、深夜の東京駅をするすると離れると、まず意外と感じたのは、女性の数。飲み会の帰りという感じでもなく、フツーに深夜残業し、「終電を逃しちゃったけどまだ深夜急行バスがあった」という感じの女性が、6〜7人はいました。なかには2時をまわるっていう時間にノートパソコンを叩く人も……。

深夜急行バスのルートは、基本的に鉄道路線と並行して走ります。拠点駅や自治体施設の近くにとまりながら、順々に客を下ろしていきます。今回、記者が乗った深夜急行バスは、終着地に着く時間が3時過ぎという長距離路線でしたが、どの乗客も「寝過ごしたら最後」と、自分の降りる停留所だけはチカラを込めて見張ってました。運転手も、「寝過ごさないように」と気配りのきいたアナウンスをしてくれます。

自分が降りる停留所まで、一度も寝なかった記者が印象的だったのは、意外な“夜行性物体”でした。車窓に映る高架橋を見つめると、定期列車が走る時間でもないのに、小さな灯り。貨物列車の電気機関車のライトかと思いきや、隠れキャラ的に出没する保線車両。線路にライトを当てて、初電までの限られた時間で、仕事をこなしていたようす。

電車の運賃の4〜6倍もする深夜急行バスですが、いつもとは違った車窓と、ビジネスパーソンの表情が見えて、意外とグッときます。