2017年の日本文具大賞のデザイン部門にて優秀賞に選ばれた「びわこテンプレート」をご存知でしょうか?琵琶湖がスラスラ描けるテンプレートで、正直「誰が、どこで使うんだ!?」と思ってしまうような遊び心溢れる文具です。このテンプレートは、コクヨ工業滋賀がオリジナルで作っている「ReEDEN(リエデン)」シリーズの「びわこ文具」という文具の1つです。

「びわこ文具」シリーズ。中央が日本文具大賞を受賞した「びわこテンプレート」(400円)。ちなみに左右の文具に描かれているキャラは滋賀県発祥の飛び出し注意を呼びかける人形型看板・とび太くん。左端は「とび太くんヨシノート」(225円)、右端は「とび太くんふせん」(350円)税別。

ヨシの活用が水質浄化や生態系保全など環境維持につながることから、琵琶湖・淀川水系のヨシを使用した紙製品「ReEDEN」シリーズが生まれ、2007年からスタート、今年で10周年を迎えます。「びわこ文具」は2014年から販売されていて、文具マニアの間では話題になっていました。「ReEDEN」「びわこ文具」は、滋賀県の主要文具店や観光地などで購入できます。ちなみに「びわこテンプレート」は琵琶湖に特化した測量野帳「ロクブンノイチ野帳」に最適なサイズになっており、一緒に持ち歩いて、滋賀・琵琶湖周辺の活動記録や旅の思い出、メモなどを書き留めるのに使えるそう。

これらを手掛けるコクヨ工業滋賀はコクヨ「キャンパスノート」の日本最大の生産工場で、近年工場見学も行なっていて、とても人気を博しています。今回、その工場と「ReEDEN」シリーズについて取材してきました。

滋賀愛、文具愛がいっぱい!のコクヨ滋賀工場

名神高速道路・湖東三山スマートICからクルマで2分、JR能登川駅からクルマで25分の国道沿いにあるコクヨ工業滋賀。

敷地に入ってすぐの場所に、コクヨ創業者の黒田善太郎氏の銅像が鎮座まします。

滋賀県の工場団地と言われるエリアに所在するコクヨ工業滋賀。周囲にはコンビニが2軒、あとは工場と田んぼに囲まれた、のどかなロケーションです。こちらは1988年に開設され、以来「キャンパスノート」を生産しています。1年間1億冊以上を販売する「キャンパスノート」のマザー工場なのです。

工場見学の受付をすると、このカードのどれかがもらえます。すべてを並べると工場の工程がわかるようになっています。なお、工場見学は要予約。

入口には巨大「キャンパスノート」撮影スポットが。

まずはコクヨの歴史を学ぶ

見学料はたったの100円!(しかも小学生以下は無料!)受付を済ませ、室内に案内されるとレシーバーや見学時にかぶる帽子、「キャンパスノート」デザインの工場見学のしおりなどが配布されます。この中に工場のある愛荘町の観光案内マップの紙もあり、地元愛が感じられます。
ここでまず、コクヨがどのように成り立ってきたのかをレクチャーされます。

レシーバーと見学時にかぶる帽子、「キャンパスノート」をあしらったしおりなどが配布されます。

その後、創業時に使われていた道具や生産していた商品、歴代の「キャンパスノート」展示エリアなどを見学します。

最初の頃は和式帳簿を作っていたんですね。

創業者・黒田善太郎氏を主人公にしたビジネス漫画の冊子も!

コクヨ創業者の黒田善太郎氏をモデルにした漫画冊子があったのですが、黒田氏の言葉が、いちいちしびれます。「カスの商売で国の誉れになる」……楽で儲かる仕事はもう既に誰かがやっている、面倒で儲からない商売でも丁寧に真摯に行ない、国の誉れを目指すという信念のもとに、コクヨは誕生したのです。コクヨ=国の誉れ、なんですね。

歴代の「キャンパスノート」。初代は1975年に誕生、その後4回のモデルチェンジを行なっています。

コクヨの看板商品のひとつである「キャンパスノート」、誰もが一度は手にしたことがあるのではないでしょうか?無線綴じ(糸を使わないで綴じる製法)ノートの代表格です。現在はクロスにもタイトルが書きやすい5代目のモデルが流通しています。

さらに「ReEDEN」で使われているヨシの説明も。ヨシは生長と共にCO2を削減し、波風から湖岸の浸食を防ぎ、水鳥や魚の棲み家や産卵の環境づくり、水中のリンや窒素を吸い上げて水質浄化に役立っているそうです。ヨシを守り育てることにより、琵琶湖の水環境、生態系保護に役立つのですね。

いざ、工場内部へ!

「キャンパスノート」柄の扉から、いよいよ工場内部に入ります。ここから見学者のテンションはヒートアップ!

案内をしてくださった中谷さん。いよいよ内部突入です!

ドーン!工場内は広く約 20,700 屬△襪修Δ任后

リアルに目の前でノートや複写伝票、コピー用紙などが作られています。工場で働く人は全部で140人、見学者は、最初に受け取ったレシーバーから案内の中谷さんの解説を聞き取ります。

まずは領収書や複写伝票などを作るC-8号機を見学です。複写伝票というと複写専用のカーボン紙を挟んで使用すると思われがちですが、こちらはインクがコーティングされた紙を使うことで、筆記具の圧で発色して書けるようになっています。

領収書や複写伝票を作るC-8号機。

そしてお次は「キャンパスノート」を作るN-13号機。

ノート紙のロールの重さは1本450kg、お相撲さん3人分の重さです。長さは9辧¬3時間で5本をノートにするそうです。

ノートの紙を巻いた原紙ロールが備え付けられ、ガンガン作られていきます。オペレーターは30分に一度、表と裏の罫線印刷のズレが生じていないかチェックをしています。3冊分の長さにカットされ、その3冊を最終的に1冊ずつカットする工程です。

工場内に掲げられた標語。とび太くんの姿も見えます。

その先には、今も現役のN-3号機がありました。こちらは1971年に導入され、40年以上無線綴じノートを作っている機械です。先ほどのN-13号機の半分の生産量ですが、アレンジが効くため小さいサイズや分厚いサイズ、さらには出納帳も作ることができるそうです。

昭和の香りが漂うN-3号機。でもバリバリ現役!

見学していくうちに、工場内では構内を巡回するトラックにてんぷら油をバイオディーゼル燃料に再生したものを使用し、co2削減につなげていたり、紙の切れ端を集めてリサイクルしたり、インクなどの廃液をきれいにろ過してから廃棄するなど、環境に配慮した工場の取り組みも知ることができます。途中でクイズが出されるなど、小さな子供も飽きさせない工夫がありました。

お目当ての、工場でしか買えない文具シリーズ

一通り見学が終わったら、室内に戻り工場内で働く人たちの映像を見せてもらいました。その後、仕事をする上での整理整頓の大切さを学んだり、「キャンパスノート」の強度を知る実験なども。

「キャンパスノート」の1ページでどれだけの重さに耐えられるかを実験。10Kg以上の重さまでもちました。

これでほぼ1時間半の見学コースです。そして見学後には、先ほどの展示エリアに簡易ショップが登場、工場限定商品のほか、「ReEDEN」「びわこ文具」もあります!

あっという間に工場ショップが!ちなみに、ここでは工場見学者しか購入できません。

工場限定販売の「キャンパスノート」(各231円)。

工場限定の「2連キャンパスノート」(各500円)。

「びわこ文具」シリーズがフルラインアップ!

工場限定の「キャンパスノート」「2連キャンパスノート」のほか、「キャンパスノート」がカットされた「リボーンノート」、さらには「リエデンチョコ」など、ここでしか買えない文具に心が躍ります!(ちなみにカードは使えません)記者は滋賀県民でもないのに、ついつい「びわこテンプレート」に手が伸びます。見学中いつの間にか芽生えた琵琶湖愛!実際のところ、案内の中谷さんによると滋賀県民は必ず小学生の時に琵琶湖の授業を受けるそうです。だから皆さん、琵琶湖愛が強いのですね。

「ReEDEN」「びわこ文具」担当者に聞いてみた!

コクヨ工業滋賀が生み出したニッチなヒット文具「ReEDEN」「びわこ文具」、これらの開発に関わる田中さんにお話を伺いました。

「ReEDEN」開発の田中さん。

今回『びわこテンプレート』が日本文具大賞デザイン部門にて優秀賞を受賞されましたが、どう思われましたか?その後の反響は?

「ご一報を頂いた時には、とても驚きました。滋賀の文具が業界に認められるなんて、本当に夢のようです。
これまで色々なReEDENの製品を開発してまいりましたが、プロジェクト10周年の節目に、この滋賀愛に溢れた文具に賞をいただくとは、なんだか運命的です。一緒に開発してきたヨシで琵琶湖を守るネットワークの仲間たちや、日頃からお世話になっている皆様のおかげと、心より感謝申し上げます。

授賞後は、お客様や販売店様からの問い合わせが増加し、メディアからの取材のお声かけもいただいております」

「びわこ文具」をデザインするときに、心掛けたことはありますか?

「びわこって地味ですが、びわこって面白い、びわこって不思議。びわこ文具は、そんなびわこ・滋賀の魅力を伝えるツール、滋賀らしいお土産として企画しました。県外の方には、滋賀での思い出を持ち帰っていただけるように、旅のワンシーンや滋賀の名所、名物をテーマにしたり、旅の記録に活用できるようなデザインにしました。県内の方には、県民お馴染み、県民なら気づくちょっとした仕掛けなど、滋賀愛をぎゅっと詰め込みました。

滋賀に観光でいらした方が、自分使い用に、お土産用にとお求めくださったり、県内および県出身の方は県外に滋賀らしいツールとして持ち出してご活用いただいています。

シリーズ全体でヨシを使用するようにしているのですが、『びわこテンプレート』の場合、テンプレート本体はアクリル素材のためヨシを使うことをコスト・品質・ロット的に断念しました。そこで台紙にヨシ紙を使おうと決めました。その上でただ説明書きががいてあり、読んだら捨てられてしまうというのは悲しいので、切って組み立てるとテンプレートの持ち運びに便利なカバーとなる一工夫をしました。まさに、ヨシで『びわこ』を守っています。

そんな風に、他のびわこ文具の製品も、製品本体にヨシを使えない場合にはメッセージカードや、台紙に一工夫をして、ヨシ紙を大切に使っていただけるような仕組み作りを心がけています。逆に、愛着を持っていただけるポイントにできればと思っています。原価や仕様、デザインと戦いながらも『ReEDEN』の基本理念として譲れない点です」

 今後の「ReEDEN」「びわこ文具」の展望などがありましたら、教えてください、

「びわこ文具につきましては、まだ企画検討中ですが、こうしてご注目をいただいていることを励みに、またお客様に興味を持ち、面白いなと思っていただける商品作りを目指します。『ReEDEN』は、皆様のご支援のおかげをもちまして、今年10周年を迎えます。『ReEDEN』の根幹であるコンセプトや思いを大切にしながら、技術・デザイン・仕様などによる付加価値を追求し、滋賀のこだわりが日本の魅力へと進化していけるように頑張りたいと思っております」

これからも滋賀県に行ったら、「ReEDEN」「びわこ文具」をお土産や記念に購入したくなりそうです。なお、工場見学は月に2回実施、予約はインターネットまたは電話で受け付けているそうです。滋賀県の注目スポットに、あなたもいつか訪れてみては?

琵琶湖に特化した測量野帳「ロクブンノイチ野帳」(300円)、ロクブンノイチの由来は琵琶湖が滋賀県の六分の一の面積を占めることからつけられた。

コクヨ工業滋賀
住所:滋賀県愛知郡愛荘町上蚊野312番地
開催日時:毎月2回開催 午前10:00〜 ※ホームページ営業カレンダーをご確認下さい。
所要時間:約90分
参加費:100円(税込) 小学生以下無料※全額、琵琶湖を中心とした環境保全活動に活用。
定員:25名(1回あたり)(※完全予約制)
申込方法:ホームページの工場見学ツアー申し込みフォームよりお申し込み下さい。受付は2か月前から2営業日前まで予約が可能。
ホームページ: https://www.kokuyo-shiga.co.jp/csr/kps_factorytour/
TEL:0749-37-8017(営業日の9:00〜12:00、13:00〜17:00)

☆堅実女子にオススメ情報☆
夏休みに行ってみたいと思っている堅実女子の皆さんに、とっておき情報です。ホテルランチと工場見学がセットになったプランが今ならまだ間に合うかも!?琵琶湖マリオットホテルがランチ付き工場見学プランを8月9日(水)、23日(水)に開催。ホテルに集合して、ランチを食べ、その後送迎付きで工場見学ができるという便利なプランです。この機会にいかがですか?

お問い合わせ:琵琶湖マリオットホテル(TEL077-585-6100 E-MAIL:info@biwako-marriott.com)
料金:大人3700円、子供(4歳〜小学生)2400円 税別

※記事内はすべて税別表記です。