<米海軍太平洋艦隊の司令官が「中国核攻撃」発言。誰が大統領でも米軍の忠誠は揺るがないという意図だったようだが>

心と体の性が一致しないトランスジェンダーの米軍に入隊は認めないと、ドナルド・トランプ大統領がツイートで発言したことに対して、ベトナム戦争で捕虜経験があるジョン・マケイン上院議員ら著名な退役軍人からトランプへの批判が相次いでいる。

しかし直後の7月27日、米海軍太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将は米軍最高司令官である大統領への忠誠を示した。オーストラリア国立大学の安全保障会議でスウィフトは、大統領の命令なら中国に核ミサイルを撃つことも辞さない、と語ったのだ。

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実際にそのような命令が下ったとは言っていないが、大統領が誰であっても米軍の忠誠心は揺るがないことを強調する意図で発言したものと見られる。

「米軍のメンバーは全員がアメリカ憲法の遵守を宣誓している。外国や国内のすべての敵に対して、上官そして最高司令官である大統領の命令に従う」

さらにスウィフトは、大統領は国民から選任されたのだから、大統領への忠誠は米軍の文民統制(シビリアン・コントロール)を維持するうえで重要な原則だと述べた。「これはアメリカの民主主義の中核を成すもので、軍隊がこの原則から離れて文民統制への忠誠を見失えば、大変な問題になる」

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米海軍太平洋艦隊のチャーリー・ブラウン報道官はその後、スウィフトが回答した質問の前提が「馬鹿げている」と語った。

仮にも「中国」が出てくる理由

太平洋艦隊は、約200隻の軍艦と潜水艦、軍用航空機1100機、13万人以上の軍人が所属し、アメリカ西海岸からインド洋にかけての広大な海域を担当している。

また太平洋艦隊は、北朝鮮に対する防衛ラインの最前線でもある。北朝鮮はアメリカ本土を標的として核ミサイル攻撃を行うと宣言しているが、アメリカと北朝鮮の間の緊張が高まるなかで、今年6月には米海軍の空母打撃群と日本の自衛隊艦艇による共同訓練が実施された。

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トランプと中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は今年4月にトランプが所有するフロリダ州のゴルフリゾートで友好的に会談したが、その後両国関係は悪化。トランプは、北朝鮮の核問題に関して介入に及び腰な中国に対し不満を募らせている。

7月4日に北朝鮮は初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を実施。5日のツイートでトランプは、中国と北朝鮮の間の貿易は今年1〜3月期に増大していると指摘し、中国政府の対応に失望したと示唆していた。

コナー・ギャフィー