自販機本とは何か?

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現在、雑誌は出版社が雑誌コードを取得し、それを印刷し、取次会社を通して配本されています。もちろん、自分たちで雑誌を作って書店に配本する方法や、ネット通販で売るとった方法もありますが、何万部もの雑誌を流通させるためには取次を通るのが一般的です。ですが、かつてはこれとは異なる流通経路がありました。それが自販機本です。

自販機本とは何か?

自販機本とは主にアダルト雑誌を販売する自動販売機の中で摘発を逃れるために「普通の本も売っている」という目的で作られた本です。書店やコンビニのように立ち読みはできませんから、表紙だけはもっともらしく作っていれば中身は何でもアリという状態だったようです。そんな中で知る人ぞ知る雑誌が『jam』『heaven』と呼ばれる雑誌です。いわゆるエロ本でありながらエロ要素が皆無なのも注目であり、編集者が好き勝手に記事を作り、そこに熱狂的なファンがついていました。

あえて問う意味

エディトリアル・デパートメントが編集する雑誌『Spectator』(幻冬舎)の、39号では「パンクマガジン『Jam』の神話」を特集しています。当時の関係者インタビューはもとより、前号の目次まで収録されています。さらに、雑誌の休刊後も『フールズメイト』『ロックマガジン』といった音楽雑誌の連載として続いた「雑誌内雑誌」の企画までフォローしました。単に昔を懐かしがるのではなく、表現の幅が狭まってしまった現在に何かを問いかける特集であることは確かでしょう。