店頭で販売されている菓子(2015年8月5日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】糖分は歯やおなか回りに良くないだけでなく、心の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるとの研究結果が27日、発表された。だが別の専門家からは、この主張を疑問視する声も上がっている。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究チームは、英国で実施された長期調査の被験者8000人以上が自己申告した糖分摂取量を、被験者の心理状態と照らし合わせた。

 調査では、公務員を被験者として1985年から1988年まで経過観察を行った後、数年ごとに質問票への記入を求めた。

 研究チームはこのデータを用いて、糖分摂取量と、不安神経症やうつ病などの「頻度の高い精神障害(CMD)」との関連性を調査。その結果、甘い食べ物や飲み物の摂取量が多い男性ほど5年後にCMDを発症する「確率が高くなる」ことや、男女ともに精神衛生への全般的な「悪影響」が認められることが分かった。

 英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表した論文の中で研究チームは、「糖の摂取量を減らすことは、精神の健康増進に関係する可能性がある」と結論づけている。

 だが、英栄養士会(British Dietetic Association)の栄養学者、キャサリン・コリンズ(Catherine Collins)氏は、このアドバイスには「根拠がない」としている。同氏によると今回の研究は、糖分摂取量が自己申告であることや、アルコール飲料からの糖分の摂取を考慮していないことなどの問題があるという。

 さらに研究チームは、牛乳などの食品に含まれる天然由来の糖と、ホットドリンクやスイーツなどに加えられる「遊離糖類」とを混同しているように思われると、コリンズ氏は指摘した。「遊離糖類の摂取を減らすことは、歯や体重にとっては良いことかもしれないが、うつ病の予防になるかどうかは証明されていない」

 栄養専門家のトム・サンダース(Tom Sanders)氏も今回の結果を「慎重に」解釈すべきとしている。

「科学的な観点から見れば、メンタルヘルスに対する作用が、食物に含まれる糖分と、その他の炭水化物源とでどのように異なるかを確認するのは困難だ。どちらも消化管で単糖に分解されてから、体に吸収されるのだから」と、サンダース氏は述べている。
【翻訳編集】AFPBB News