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今年の4月下旬から三菱東京UFJ銀行がインターネットで住宅ローンの申し込みから契約までできるシステムの運用をはじめたという。さっそく同行に行って模擬体験させてもらった。

必要書類の添付もネットでアップロードできる

住宅ローンの契約は通常、銀行の店頭に出向いて対面で書類を交わさなければならない。当然、銀行の窓口が開いている平日の昼間に行かなければならないし、書類に不備などがあったりすると何度も出直す必要がある。その契約手続きが自宅に居ながらインターネットでできれば、かなり時間が節約できそうだ。

まず全体の流れは次のとおりだ。

●申し込みから借り入れまでの流れ
・事前審査の申し込み

・事前審査の結果連絡

・正式申し込み

・正式審査

・住宅ローン契約

・借り入れ

「インターネットで住宅ローンの契約をするには、まず事前審査を申し込んで専用のマイページを開設する必要があります」と教えてくれたのは、三菱東京UFJ銀行の企画担当者だ。まず同行のホームページから住宅ローンのページを開くと、「かんたん事前審査」のバナーがある。そこから年収や職業、物件の情報などを入力して事前審査を申し込む。事前審査が承認となると、マイページのIDとパスワードが簡易書留便で数日後に郵送されてくる。

【画像1】三菱東京UFJ銀行の住宅ローンページ。トップ画面に「かんたん事前審査」、右側に「マイページ」のバナーがある(画像/三菱東京UFJ銀行ホームページ画像キャプチャ)

マイページにログインすると、メインメニューの画面に切り替わる。「正式な申し込み」の項目をクリックすると正式申込書の画面が現れるが、年収や職業などは事前審査で入力した情報がすでに記載されているため、入力する必要がなく操作も簡単だ。

【画像2】メインメニューの画面。「メッセージボックス」で銀行に問い合わせると、チャット形式で担当者とやりとりができる(画像提供/三菱東京UFJ銀行)

【画像3】申し込み内容の確認画面。「お申込内容の確認」をクリックすると、詳細な申込書がPDF形式で表示される(画像提供/三菱東京UFJ銀行)

申込書の内容を確認し、次へ進むと、個人情報の取り扱いや団体信用生命保険などの確認事項のほかに、マイナンバーカードの利用意向を確認する画面も現れる。このシステムを使って住宅ローンの契約をする場合はマイナンバーカードを利用することが必須なので、利用条件を確認して同意することで住宅ローンの正式申し込みが完了する仕組みだ。

なお、正式申し込みには各種書類の添付も必要だが、この手続きもネットでできる。メインメニューで「書類のアップロード」の項目をクリックすると、「書類のご提出/アップロード」という画面が現れる。ここでは源泉徴収票などの収入証明書類や運転免許証などの本人確認書類、売買契約書など物件に関する書類を、スキャナーやスマートフォンのカメラを使ってPDFやJPEGなどの形式で取り込み、アップロードすればよい。必要な書類は申込内容によって異なるが、10数種類ほどあるのでそれなりの作業量だ。

【画像4】書類の提出/アップロード画面。パソコンに保存したファイルから一つずつアップロードしていく(画像提供/三菱東京UFJ銀行)

契約時にはマイナンバーカードで電子署名。契約書への印紙貼付も不要

さて正式申し込みが済むと銀行が正式な審査をすることになる。事前審査が通っていてその後に申込内容の変更などがなければ正式審査も通るはずだが、油断はできない。ドキドキして待っていると、メールで審査結果通知のお知らせが。このメールには結果は表示されていないので、再びマイページにログインしてメインメニューから「審査結果の確認」をクリック。「ご契約手続が可能となりました」と表示されれば、無事に正式審査を通ったことになる。

【画像5】正式申し込みが済むとメインメニューのトップ項目が審査結果の確認に切り替わり、後日結果が通知される(画像提供/三菱東京UFJ銀行)

ここからはいよいよ契約手続きとなり、マイナンバーカードを利用した電子署名ツールを使うことになる。マイナンバーカードに保存されている電子証明書で他人のなりすましやデータ改ざんがないことを確認するのだ。契約手続きが可能になると銀行からマイナンバーカードを読みとるためのカードリーダーが送られてくるので、事前に入手しておいたマイナンバーカードを手元に用意して手続き開始だ。

マイページのメインメニューから契約ファイルのダウンロードを実行すると、契約に必要な書類をまとめたZIPファイルがダウンロードされる。次に、送られてきたカードリーダーをUSBでパソコンに接続すると、ドライバーが起動して電子署名ツールのアイコンがデスクトップに現れるので、それをクリック。するとツールが立ち上がり、手順に沿って手続きすると電子署名が実行できて契約手続きが完了する。

【画像6】電子署名ツールの画面。指示に従ってマイナンバーカードをリーダーに乗せ、ダウンロードした契約書ファイルを選択して「電子署名をする」のボタンをクリック。パスワードを入力すれば電子署名の完了だ(画像提供/三菱東京UFJ銀行)

この契約電子化システムは三菱地所レジデンス、東急リバブルとの協働で運用が始まったもので、今のところ利用できる物件は両社が取り扱う一部の物件が対象だが、今後順次拡大予定だという。ただ、不動産会社を介さずに直接同行のホームページから住宅ローンを申し込むケースでも利用可能だという。

「契約を電子化することで紙の契約書が不要になり、印紙貼付も不要です。またこのシステムではマイナンバーカードを利用しているので、入居後に住宅ローン控除を申告するときにもインターネットで手続きできるe-Taxが利用できます。不動産会社との協働はまだ始まったばかりですが、当行へホームページから申し込まれてすでに契約したケースもあります」と、説明してくれた。

印紙貼付が不要であること、窓口で契約する手間がなくなるのは大きなメリットだろう。

最近は低金利のネット銀行が勢いを増している住宅ローン市場だが、電子化の取り組みは大手銀行にとって窓口人員の削減などコストダウンにつながる。電子化の動きが広がってコストが削減されれば、都市銀行などの金利ももう少し低くなるかもしれない。利便性が高まって金利が低くなれば、利用者にとってもうれしい話だろう。

●取材協力
三菱東京UFJ銀行
(大森 広司)