米アマゾン・ドットコムは、8月2日に米国の10カ所に及ぶ同社物流施設で、「Amazon Jobs Day」と呼ぶ大規模な就職説明会を開催すると発表した。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

4万人のフルタイム従業員を募集

 メリーランド州、テネシー州、ウィスコンシン州などにある同社配送センターで、当日の朝8時からイベントを開催し、求職者にアマゾンの倉庫内を案内したり、従業員が仕事の内容を説明したりする。

 条件を満たす応募者には、その場で採用を決定したりし、このイベントで合計5万人以上を新規採用するという計画を立てている。

 これに先立つ今年1月、同社は、米国で10万人を超える規模でフルタイム従業員を雇用すると発表していた。また今年4月に同社は、3万人を超える規模でパートタイム従業員を新規雇用するという計画も明らかにしている。

 この時、アマゾンは、米国における同社従業員数は2011年時点で3万人だったが、昨年末には18万人と、5年で15万人増え、さらに来年半ばには28万人を超える見通しと説明していた。

(参考・関連記事)「アマゾンの雇用拡大策、着々と」

 今回の計画では、新規採用する計画の5万人のうち、ほぼ4万人がフルタイム従業員で、既存の配送センターや、今後数カ月以内に開設する新たな配送センターで勤務する。そして、残りの1万人超はパートタイムで、全米の30カ所以上の仕分けセンターで勤務するという。

eコマースの隆盛とともに人材も必要に

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、ここ最近、米国の物流業界では、労働者の獲得競争が激しくなっている。とりわけ、物流企業各社が年末商戦の準備を始める9月から、競争はいっそう激化する。企業の物流拠点が集中する地域では、失業率が低下し、それにともない、人材の取り合いが生じ、賃金水準も上昇するのだという。

 同紙によると、こうした状況は、昨今のeコマース需要の増大が背景にあるようだ。

 物流業界の人材派遣を手がけるある企業の幹部によると、我々が、eコマースで物を買う頻度が増えるにつれ、その分の人材がeコマースの現場で必要になってくるのだという。

 今や、これまで小売店で働いていたと同じ数の人材が、物流拠点で必要な時代になっている。だが、配送センターは繁華街ではなく、空港や幹線道路、郊外の住宅地に近い場所に集中してつくられる傾向にある。これにより、これらの仕事をすべて満たす人材が不足していると、この幹部は話している。

労働市場の競争力強化狙う

 そこで、アマゾンは、労働市場における競争力を高めるべく、福利厚生の拡充を図っている。例えば、週20時間以上働くパートタイム従業員には、アマゾンが保険料の全額を支払う、生命・身体障害保険、歯科保険などを用意している。

 またフルタイムと、パートタイムの時間給従業員には、「キャリア・チョイス」と呼ぶ研修プログラムを用意しており、同社によると、すでに1万人以上がこの研修を受けている。

 この研修プログラムは、受講料の95%をアマゾンが前払いするというもので、その分野はアマゾンにおける仕事と関連のないものも選択可能。例えば、ゲームデザインや看護技術、ITプログラミングなど多岐にわたると同社は説明している。

筆者:小久保 重信