パリのセーヌ川のほとりに、一体の大きなクジラが横たわっているという信じられない光景が広がっています。

知らない人は驚きますが、実はマッコウクジラに似せて作られたオブジェです。

全長約18mものマッコウクジラは身体中に傷があり、まるでその場で息絶えてしまったように見えます。

オブジェを置いたのはベルギーの芸術家グループ、キャプテン・ブーマーで、クジラの彫刻を作りセーヌ川まで運び展示しています。

彼らは2008年からロンドンのテムズ川沿いなど、ヨーロッパのさまざまな都市でクジラのオブジェを展示する活動を行っています。

彼らによると、リアリティのあるマッコウクジラのオブジェを海辺や川辺に置くことは、人間の社会と生き方が環境にどのような影響を及ぼしているかを知ってもらうことが主な目的であり、生態系を破壊していることのメタファーでもあるのだそうです。

マッコウクジラは社会的・文化的背景にかかわらずアピールする力があるので、誰でもアクセスできる公共の場所にあるべきだと主張しています。

マッコウクジラが海辺に打ち上げられてしまう理由は騒音公害や気候の変動など、さまざまな要因が考えられます。キャプテンブーマーたちの活動を通じて、海洋生物の保護と環境問題への理解が進むことを願って活動しています。

人はマッコウクジラが水辺で倒れている様子を見ると、自然との関わりが断絶したと感じます。誰も手を付けようとしないが、地元のコミュニティを大きく動かし、原因や対処法を考えだすのだそうです。

マッコウクジラのオブジェはパリで行われるアートイベント、エッテフェスティバルの開催期間である2017年8月5日(現地時間)まで展示されています。