日本銀行はこのほど行われた金融政策決定会合で、2%の物価目標を達成して日本経済の成長を促進するために、現行のマイナス金利を中心とし、イールドカーブコントロールを行う大規模な金融緩和政策を継続することを決定した。

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日本銀行(中央銀行)はこのほど行われた金融政策決定会合で、日本の経済情勢および国際経済情勢や物価動向について話し合い、2%の物価目標を達成して日本経済の成長を促進するために、現行のマイナス金利を中心とし、イールドカーブ(利回り曲線)コントロールを行う大規模な金融緩和政策を継続することを決定した。同時に物価目標2%の達成時期を2018年から19年に先送りした。これで6回目の先送りとなる。経済日報が伝えた。

同会合では短期金利は昨年に始まったマイナス金利政策を継続することを決定し、今後も各金融機関が日銀に預けた当座預金のうち準備預金を超えた部分に対して1%の手数料を徴収し、長期金利では10年物国債利回りを0%程度に誘導し、年間80兆円の国債買い入れペースを維持するとした。日銀はこうした金融緩和政策を通じて市場に大量に資金を流し込み、物価上昇を導く狙いだ。だが大規模金融緩和政策が実施されてから4年になるが、消費者物価指数はゼロに近い低水準をうろうろし続け、物価目標2%は実現にはほど遠い情況だ。

日本の安倍晋三首相が2回目の登壇で黒田東彦氏を日銀総裁に任命すると、日銀は13年4月に多様な量的緩和政策を打ち出し、元々の計画では2年で物価指数を安定させて2%以上に引き上げるとしていた。だが目標達成は難しく、このたびの6回目の先送りとなった。

日銀の「経済・物価情勢の展望」も物価指数の予測値を引き下げ、17年の物価指数を1.7%から1.1%に、18年は1.7%から1.5%に、19年は1.9%から1.8%に下方修正した。予測値引き下げの主な原因は、企業が商品価格の引き上げによる販売量への影響を懸念していることで、賃上げなどの経営環境に変化が生じた場合、企業はその他のコストを引き下げて圧力を解消することを考える。注視されるのは、このたび日銀がこれまでのように物価目標の達成時期を先送りする際に追加の金融緩和政策を打ち出さなかったことだ。世界経済の回復を背景に、輸出が増加して設備投資と消費の回復を牽引する可能性がある。さらに最近の日本の金利の安定が企業の収益につながると同時に、人手不足が進行し、企業が賃上げして物価が上昇する可能性があるからだ。

日銀は昨年秋から「展望」の最後に「『物価安定の目標』に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」と記している。今みると、これまでの金融緩和政策を維持することは、日銀が物価上昇の勢いを維持することに十分な自信があることを示すと考えられる。また別の見方によると、日銀が利用できる金融政策ツールはほぼ出尽くしたという。引き続きマイナス金利を強化すると金融機関の収益の可能性が一層圧迫され、さらには地方中小銀行の破産といった深刻な副作用をもたらすことも考えられ、国債買い入れ額も拡大の余地がなくなる。企業と市場は追加の金融措置にはなから希望を抱いていない。

日本の第一生命経済研究所の永濱利廣・首席エコノミストは日本経済を一隻の帆船にたとえて、「原油価格の値下がりに直面して、世界経済は発展の追い風が吹き前進しているが、米国経済の拡大周期が終われば、日本経済という帆船は転覆する可能性がある。ここから日本経済には成長の原動力が不足していることがうかがえる」と話す。

黒田総裁の任期は18年春に終わる。事実から明らかなように、2%の物価目標を任期中に達成するのは不可能性で、黒田総裁はこれについて外交辞令でよく使われる「遺憾に思う」という言葉で幕引きをはかった。分析によると、これほど早く先送りを発表したのは、一種の金融操作であり、日本の長期金利の引き下げを狙ってのことだ。欧米で金融政策が徐々に量的緩和からの撤退に向かう中、海外長期金利の上昇は日本に波及して円高をもたらす可能性があり、日銀の態度はこうした幻想を打ち砕こうとするものだという。また別の論評によると、黒田総裁が早々と先送りを発表したのは圧力を解消するためだ。年末に発表したなら、次期総裁選びの重要な時期にぶつかることになり、世論の圧力が黒田総裁の再任にとってマイナスになる可能性があるからだという。(提供/人民網日本語版・編集KS)