『セシルのもくろみ』公式サイトより

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 真木よう子が『問題のあるレストラン』以来、フジテレビ系で2年ぶりに主演を務める連続ドラマ『セシルのもくろみ』の第2話が20日に放送され、平均視聴率は4.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。第1話の視聴率の低さと、酷評が溢れたネット上の感想から、怖いもの見たさで視聴率が上がるか? とどちらに転ぶか分からない状況だったが、蓋を開ければ先週から更に0.6ポイントダウンの4.5%。第2話で4%台と、早くも窮地に立たされている。 

 勝手にインスタを開設した沖田江里(伊藤歩)への怒りを野心に変えた宮地奈央(真木よう子)は、沖田に自分のことを認めさせた上で這い上がってやると決意する。その矢先、憧れのカバーモデル・ハマユカこと浜口由華子(吉瀬美智子)に自宅へ遊びに来ないかと誘われ、嬉々として自宅を訪れた奈央。

 プールつきの豪邸と著名な小説家である夫の存在に驚きながらも、息子を同じ学校に通わせている主婦として意気投合。帰り際、クローゼットで眠っている大量の衣類を譲ってもらった宮地は浜口への憧れをますます強くする。浜口からもらった服を夫・宮地伸行(宇野祥平)にも褒められ、ノリノリで浜口化していく宮地。

「VANiTY」編集部でも動きがあった。黒沢洵子(板谷由夏)から、読者モデルの中から1名だけ、専属モデルに昇格させる意向があることがライターや編集者たちに伝えられた。宮地を担当する沖田はこのチャンスに燃え、宮地も専属モデルになるべく浜口研究に一層力を入れた。

 ……が、宮地の個性が無くなっていることを黒沢に叱責される宮地と沖田。自分らしく輝くことを模索する中で、宮地と沖田は本音で語り合う。36歳、未婚の沖田の仕事への情熱を知った宮地は、金型仕上げのエンジニアである夫・伸之にも仕事について尋ねる。「すごい先輩がいて、まだまだ盗めるものがたくさんある」と語る夫。宮地も外見だけ浜口の真似をするのではなく、その仕事ぶりを盗もうと撮影現場に潜入するのだった。

 美しさに加えて、浜口の気遣いやセンス、迅速な判断力に目から鱗の宮地。浜口も自由奔放な宮地の魅力に惹かれ、また遊びにきてと誘う。自慢のポテトサラダを手土産に、再び浜口の自宅に向かう宮地。と、玄関先には泥酔した浜口の夫が倒れており、駆けつけた浜口と姑の姿を目撃する。自宅で介抱するという浜口に対し、姑は「ほとんど家にいないんだから」と嫌味を言い、息子を抱えて隣に建つ自分の家に連れて行くのだった。

 第1話の酷評の嵐に鞭打つかのように視聴率も4.5%と大幅ダウンとなった第2話。一昔前のファッション雑誌バブルのころを、物語の題材を扱っている時点で時代錯誤感は否めないが、視聴者からのネガティブ意見は真木よう子の不自然で不健康な容姿に集中していた。

 病的に痩せた身体にカラコンで黒目を強調した人工的な顔。この容姿で、「体育会系でガサツだが料理上手で家族を大切にする平凡な主婦」という基本設定なものだから、視聴者は違和感を抱きまくったようで、「真木よう子の容姿や演技が気になって、ストーリーに全く入れなかった」という感想が散見された。

 視聴者からの反応に「女優とは何か?」ということを考えさせられた。『デボラ・ウィンガーを探して』という映画の中で、ハリウッド女優のフランシス・マクドーマンドが「女優たちがみんな整形をして、若さを保ってくれたら、50歳になる頃には一人勝ちだわ。だってハリウッドには50歳に見える50歳の女優がいないから」というようなことを語っていたが、今さらながら頷いてしまった。

 女優にとって最も重要なことは、実年齢より若く見えることや、誰よりも美しくあることではなく、設定された年齢やキャラクターを体現できることである。フィクションであるドラマを、本物であるかのように視聴者に感情移入してもらうためには、まずは視覚的に本物に見えることが大切だ。

 そんなことを思いながら第2話を見たら、伊藤歩がフランシス・マクドーマンドになり得るように感じた。伊藤が演じる沖田は壁にぶち当たってはいるが、本来のガッツある性格を裏づけるように健康的な身体をしていて、言葉の一つ一つに説得力がある。顔立ちだけ見れば、真木や吉瀬や長谷川京子よりも地味ではあるが、非常に自然で魅力的である。「美しくいなければ」「痩せていなければ」ということに追い立てられず、伊藤自身が普通の感覚を大切にして日々を生きているのではないかと想像させる。

 老けただの、太っただの、いちいち容姿に文句を言われたとしても、その意見に振り回されず、「女優」を全うするためにどう生きるか……というスタンスで自分を磨いている人は強い。そんな人は、年齢を重ねるごとに演技に深みが出て、容姿に説得力が出るのではないか。第2話は、伊藤歩の女優としての真価を知る回となったが、次回以降はストーリーにも興味が持てるような展開になることを期待したい。
(文=西聡美/ライター)