なぜ夏は冬よりも星が綺麗に見えないのか?

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蒸し暑い日が続くが、夜になるといくらか涼しくなり、夜涼み(よすずみ)する人もいるのではないか。空を見上げると、晴れていれば綺麗な星が見え、心癒される人も多いだろう。筆者もそのうちのひとりだが、夜の空を見ていてある疑問が――。冬場は寒く空気が澄んでいるため、星が綺麗に見えると聞いたことがあるが、夏の場合はどうなのか……? 「教えて!goo」にも「冬は星がよく見えます。なぜですか」と疑問を寄せる投稿を発見。冬に比べ、やはり夏の星は見えにくいのだろうか? 今回は、夏は冬より星が綺麗に見えない理由から夏の星空の楽しみ方まで、専門家に話を聞いてみた。

■夏の星は冬よりも見えにくい…?

答えてくれたのは、青森県内の公開天文台で一番大きい天体望遠鏡を持つ、ロマントピア天文台だ。冬の星空に比べ、夏の星空は見えにくいのか?

「冬は暗くなるのが早く、真夜中の空には太陽の光がほとんど当たりません。そのため、星が見えやすくなります。しかし、夏は暗くなるのが遅く、太陽の光の影響が残ってしまいます。そのため、星が見えにくくなります」(ロマントピア天文台)

どうやら気になる疑問は本当だったようだ。これ以外の理由は、以下の通りである。

「また、冬になると空気が乾燥します。その結果、空気中に存在する細かな水分が減少し、視界を遮りません。そのため、夏よりも綺麗に見えます。ほかにも、夏は暖かく街は夜遅くまで賑わっているため、街の明かりが遅い時間まで残っています。都市部では、その影響もあるのかもしれません」(ロマントピア天文台)

なるほど。空気が澄んでいる以外にも、街の明かりも関係があったとは。夏の星空が見えにくいのは、様々な要因が重なっていたのだ。

■夏の星空の楽しみ方

冬の星空ではないにせよ、夏の星空も綺麗えるのは間違いない。夏ならではの星空の楽しみ方を聞いた。

「夏の夜空で一番オススメしたいのは、やはり『天の川』です。当天文台は弘前市郊外にあり、市街地に比べると街明かりの影響は少ないです。そのため月齢などの条件が整えば、肉眼でも天の川が楽しめます」(ロマントピア天文台)

肉眼で見る天の川。見たことがない筆者には想像もつかないが、おそらく大変感動できるものであろう。ほかにどんな星がオススメだろうか?

「はくちょう座のくちばしに位置する二重星『アルビレオ』もオススメです。色の違うふたつの星を、宮澤賢治はトパーズとサファイアのふたつの宝石にたとえましたが、小型の望遠鏡でも確認できる『天空の宝石』の輝きは、とても見事です」(ロマントピア天文台)

宝石に見立てることができるぐらいの星が見られるとは。光物好きの筆者は、ぜひ一度目にしてみたいと思った。

「夏の夜空には、いて座・さそり座付近を中心に、星雲や星団(メシエ天体)が多数広がっています。大型望遠鏡で見るメシエ天体も、夏の空ならではの光景かと思います。また、北の空の『日周運動』も面白いかもしれません。北極星を挟んで並ぶ『北斗七星』と『カシオペヤ』の両方が楽しめる今の季節、このふたつの動きは、地球の動きを感じさせてくれます。」(ロマントピア天文台)

ゆっくりと星を見る時間がない人も多いかもしれない。だが、星空を眺めていると、気分が癒され、ホッと一息つけるものだ。夏の星空をゆっくりと楽しみたいときは、ぜひプロがオススメする星を堪能してみてはいかがだろうか?

【取材協力及び記事中写真の提供】
・弘前市 星と森のロマントピア

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)