イヌ・サル・キジとともに鬼を退治した桃太郎。しかし彼の「真の目的」は、そもそも鬼を懲らしめることだったのでしょうか。無料メルマガ『MBA流 大人の学ぶ技術』の著者・若林計志さんは、誰でも知っているこの物語を読み解きつつ、「手段」と「目的」を取り違えないことがビジネスパーソンにとっていかに重要かを記しています。

童話でわかる経営戦略入門

「桃太郎」といえば、私の地元岡山の「吉備津神社・吉備津彦神社」が発祥と言われています。というのも、古事記に吉備津彦命が温羅(鬼)退治するエピソードがあり、それが元になっていると言われているからです。

それはさておき、今回は「桃太郎」をベースに経営戦略を考えたいと思います。

桃太郎の「目的(ビジョン)」は何だったか?

桃太郎のストーリーはみんなご存知かと思いますが、そもそも何のために鬼ヶ島に乗り込んだのでしょうか?

鬼を懲らしめるため?鬼を退治するため?村人の不満を解消するため?

どれも間違いではありませんが、これらは「手段」です。「桃太郎」の歌詞を見てみるとヒントがあります。

● 桃太郎

答えは…

鬼にぶんどられた財産を村人に返すその結果として平和な村を実現する

です。これが本来の目的であれば、必ずしも鬼をやっつける必要はありません。鬼を何とか説得して全面降伏させたり、無血開城させて平和の道に協力してもらうことも選択肢としてありなのです。

鬼の方にも何か事情があるとすれば、それに「同意」しなくても「理解」することで柔軟な解決思考が生まれます。

言われてみれば当たり前なんですが、我々は「手段」と「目的」を取り違えがちです。仕事でも同じようなことがありませんか?

例えば、

部長になる売上目標を達成する給料をアップする

これは「目的」でしょうか? それとも「手段」でしょうか? その答えは人によって違います。5〜10年ぐらいの短期スパンで考えれば、上記は目的とも言えなくもありません。ただ「人生の目的」という視点からは「部長になる」は手段でしかありません。

大事なのは自分にとっての「目的」と「手段」を混同しないこと。そのためには、年に一度ぐらい振り返りの機会を持った方が良さそうです。ソフトバンクの孫さんの言葉を借りれば

「自分がどの山に登りたいか(登っているか)確認すること」

60歳の定年になってはじめて「違う山を一生懸命登っていた」ことに気づくほど悲しいことはないですから。以上自戒を持ってご紹介しました。

※ 桃太郎の話は、富士ゼロックス総合教育研究所(Fxli)の情報誌「xchange communicatio vol.134」掲載のインタビュー(井辻秀剛-コカコーラカスタマーマーケティング代表)を参考にしています。

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出典元:まぐまぐニュース!