子どもの頃からともにした20年――本郷奏多、劇場版で憧れの『ポケモン』の世界へ!

本郷奏多の取材を通して感じたのは、彼の『ポケモン』への思いの深さだ。ゲーム第1作目から、昨年発売された最新作までみっちりやり込むほどの“ガチ勢”である本郷。インタビュー中の嬉々として語る姿。ポラロイド(※読者プレゼント用)に絶妙な“本郷タッチ”で描かれたピカチュウ、ルカリオ…。そして、「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」で本郷が声を務めた少年・ソウジのイラスト。どれをとっても、彼の『ポケモン』に対するとめどない愛が感じられる。

撮影/祭貴義道 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

大好きだからこそ胸アツなシーンがたくさんある!

「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」に、声優としてオファーがあったときのお気持ちはいかがでしたか?
『ポケモン』は、本当に小さい頃から大好きで。ゲームも、ゲームボーイ版の『ポケットモンスター 赤・緑』からやっていたし、TVアニメも見ていたし…。20年間、ずっと好きな作品だったので、出られると決まったときは本当にうれしかったです。
「ポケモン映画」に声優として参加してみたいなという気持ちはありましたか?
いや! まったくありませんでした…というか、「出たいな」っていう発想すらなかったです。たしかに、毎年夏に公開される劇場版では、芸能人が声優として参加しているけれど、まさかそこに自分が呼ばれるなんて思っていなかったので…。本当に予想外の出来事でした。
今回の劇場版は、1998年に公開された1作目の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』から数えて、20作目の記念作品です。サトシとピカチュウの最初の出会いから、旅に出るまでが改めて描かれた作品となりました。
「ポケモン映画」シリーズの20年間のハイライトを凝縮したような作品になっていますよね。子どもはもちろん、大人の方も一緒にワクワクして見られると思います。そのなかで、とくに僕くらいの世代の方にとっては、胸をアツくさせるシーンがたくさんあります!
実際に、本郷さんはどんなところに胸をアツくさせられたんでしょうか?
そうですね…映像のカット割りには…かなり胸がアツくなりました。
映像のカット割り、ですか?
今回の劇場版では、TVアニメが放送されていたときに見ていたシーンが多くリメイクされていて。そういうシーンが、当時と同じようなカット割りで、作画は現代に進化している……という部分が見ていてとてもアツくなりました。昔からずっと『ポケモン』を見ているファンの方にとっては、すごく燃える部分なのかなと思います。
それこそ、音楽もゲームシリーズのBGMがアレンジされたものが使われていましたね。
はい!(大きくうなずいて) そこも胸アツポイントです!

しっかり者で博識なソウジを演じる際に意識したこと。

本郷さんが演じたのは、ポケモン博士を目指すトレーナーの少年・ソウジ。旅の途中でサトシ(声/松本梨香)、マコト(声/佐藤栞里)と出会い、伝説のポケモン・ホウオウを一目見るため、一緒に旅をすることになります。本郷さんはソウジをどういうキャラクターだと捉えましたか?
サトシとマコトが明るく元気で、直感で動くタイプなので、ふたりが間違った方向に進みそうになったら正してあげるような、お兄さん的な立場のキャラクターなのかなと感じました。
しっかりしていますし、ポケモン博士を目指すだけあって、とても博識ですよね。
作中では、物事を説明する役割を担っていたところもあったので、物語を正しい方向に導く、とても大事なキャラクターだと思います。
そのソウジを演じる際に意識したことは?
やっぱり、サトシたちが「俺が! 俺が!」って動くタイプなので、そのなかでソウジは全体を見ている、落ち着いたキャラクターにできればと思っていました。サトシたちよりかは、1、2歳くらい年上のような気持ちで演じました。
『ポケモン』の世界では、10歳になるとポケモントレーナーとして旅に出ることができるようになりますが、それでなくても、ソウジは10歳くらいとは思えない落ち着きっぷりです…。
寝ていたオコリザルを起こしてしまい、サトシ、ソウジ、マコトが胴上げをされるシーンで、みんなは驚いているのに、ソウジだけは「サトシ、トランセルを使うんだ!」ってキリッとした表情で冷静な判断をしていましたしね。ソウジとルカリオは、バトルでもたいして活躍しないんですけど……オコリザルとのシーンは好きです(笑)。
ちなみに、本郷さんがソウジくらいの年齢のときは、どんな子だったんでしょうか?
そうですね…そのときはまだ純粋なかわいい子どもだったと思います。
まだ……?(笑)
はい、まだ(笑)。子どもの頃は、ソウジというよりかはサトシタイプで、サトシのように元気に遊びまわっていたんじゃないかなと思います。

本郷セレクト! ピカチュウの超絶かわいいシーン

今作では、サトシとピカチュウが出会ってから、さまざまな困難を経て、友情を育んでいく様子がとても印象的です。「友情の大切さ」について本郷さんはどうお考えですか?
そうですね…。僕はよく「友達が少なそう」って言われるんですけど、まあまあコミュニケーション力もあるほうだし、友達もけっこういます。…だからこそ、あんまり考えたことがなかった部分でもありますね。でも、友達がいないと人生楽しくないですよね。
映画をご覧になって、改めて「友情の大切さ」について考えたことも…?
うーん……じつは、あまりなくて……(笑)。僕はもう本当に、「ピカチュウがすごくかわいい!!」って思いながら映画を見ていました。
本当にポケモン好きな様子が伝わってきます(笑)。たしかに、ピカチュウがとてもかわいかったです。
はい! 今回はとくにかわいいです!!
(笑)。今作のどのシーンのピカチュウに、一番グッときましたか?
いっぱいあったんですけど……そうですね。すごく細かいところでもいいですか?
もちろんです!
サトシ、ソウジ、マコトの3人が洞窟のなかでたき火をして暖をとっているときに、サトシが寒かったのか、くしゃみをするんです。そうしたらピカチュウがサトシにすり寄ってきて、温めてくれる…というところがたまらなくかわいかったです。
ピカチュウがサトシに、すりすりと頬を寄せるシーンですね。
サトシが「え、ピカチュウ、あっためてくれるのか?」って聞いたときの「ピカー!」って答えるピカチュウは、見ていて「あ、超かわいい」って思いました!
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