トヨタのプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」と横に立つ同車CMキャラクターの石原さとみさん。都内で行われた発表会で(2017年2月15日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】科学技術の進歩により、自動車の化石燃料は数十年以内の段階的廃止となる可能性が高まっているが、電気自動車への切り替えそのものにも環境面や経済面での懸念は存在している。

 世界の多くの国で「脱石油」の流れが目立ち始めている中、英国は26日、2040年までに「従来のガソリン車とディーゼル車すべての販売を終了」する方針を発表した。今月初めには、フランスも二酸化窒素(NO2)による大気汚染への対策として、同様の発表を行ったばかりだ。

 さらには中国も昨年、2020年までに新規販売自動車の12%を電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド(PHV)とする計画を発表しており、他方でインドも2030年までにすべての販売車をEVにするとの目標を明らかにしている。

 話を欧州の国に戻すと、ノルウェーが2025年までにガソリン車とディーゼル車の新規販売を終了させる方針を示している他、スウェーデンやデンマーク、フィランドなどでも、化石燃料車を段階的に廃止するという同様の目標を掲げている。

 米ヨーク大学(University of York)のアラステア・ルイス(Alastair Lewis)教授(大気化学)は、「充電装置や電気自動車の技術が過去10年間と同じペースで向上すると仮定すれば、自家用車に搭載されている小型内燃機関は、政府の介入がなくても姿を消す可能性がある」と指摘している。

■「大胆な賭け」

 しかし、自動車市場などを研究する仏経済団体「Observatoire Cetelem」のエコノミスト、フラビアン・ヌビ(Flavien Neuvy)氏は、2040年までにEVばかりになると示唆することは「大胆な賭け」だと話す。

 同氏はAFPの取材に対し、「内燃機関が2040年に禁止されるということは、われわれが最も効率の良い技術を2040年に把握しているということが大前提となる」としたうえで、「それは大胆な賭けだ。というのも、環境という観点で見ると、現在2リットルの燃料で100キロ走行できる自動車が存在することからも明らかなように、燃焼機関が優位に立つ可能性もあるからだ」と語った。

 また、従来のエンジン搭載車両よりも高価なことや、天然ガスや水素といったその他のオプションが存在していることも大きなファクターとして挙げている。

 それでも、EVについては「現在よりも効率性がはるかに向上する」と予想しており、平均走行距離が現在の250〜300キロから400〜500キロへと改善すれば、普及には「十分」だと説明した。

■インフラの見直しも

 EVへの移行をめぐっては、環境に対してマイナスに作用する「副作用」もあると専門家らは口をそろえる。

 ヌビ氏は、EV車両の増加に伴うさらなる電力の確保やバッテリーを製造するための資源の調達、さらには充電ステーションの拡充や車両リサイクルなど、さまざまな課題が残されていると指摘する。英国では現在、全登録車両3670万台のうち約11万台をEVが占めており、充電ポイントも約4500か所に設置されている。

 また、スウェーデンの環境機関IVLは先月、現在、大型のバッテリーを1つ生産するために最大で17.5トンの二酸化炭素が排出されているとする研究結果を明らかにした。これは普通車で約700時間走行したときの排出量に相当するという。

 それでも、電気自動車に移行するという機運は高まりをみせている。原油価格が再び上昇すればなおさらだろう。中国がEV開発に力を入れていることもこの流れを後押ししている。

 独研究機関CAMは、世界全体のEV新規登録数について、2020年までに2.5%〜6%上昇すると予想。その後は「自動車メーカーの努力」によって、2030年までに40%増加すると推算している。
【翻訳編集】AFPBB News