SNSをコツコツ続けると、思わぬ転機が訪れるかも……。発信することでチャンスをつかむ女性が増えている昨今ですが、分かっているけれど、「発信するネタをどう作ればいいか分からない」という人も多いかもしれません。

SNSやブログを通して活躍の場を手に入れた人の投稿は、キラキラしていて眩しいものです。「自分にはセンスがないからムリ」と思ってしまうこともあるでしょう。

デジタルコンテンツプラットフォーム『note』で毎日記事を更新している最所あさみ(さいしょ・あさみ)さんも、「私も最初は週に1本か2本というユルいペースでした」と言います。ところが、毎日発信を続けるようになってから自身をとりまく環境が激変。ブログを始めて1年でフリーランサーへ転身という転機を得ました。

今回は最所さんに、発信を続けるコツと、人に届く記事をどうやって考えているかについて聞いていきます。

【前編は】「SNS禁止の会社に就職しちゃダメ」な理由

フォロワーが500人を超えて周囲に変化が

--最所さんの『note』は現在、1000人以上にフォローされていますが、環境が変わってきたと感じたのはフォロワー何人くらいからでしたか?

最所あさみさん(以下、最所):フォロワーが500人を超えた頃から、イベントなどで挨拶をしたときに反応をもらえたり、「記事を読んでいます」と言われたりするようになりました。インタビューやお仕事の依頼をいただくようになったのは1000人を超えたあたりからでしたね。

--フォロワーが増えたのはジワジワと? 何かきっかけがあったのでしょうか?

最所:きっかけは『note』の「おすすめ」にピックアップされたことが大きかったです。フォロワーが増えたりコメントをいただいたりすることが増えました。それまでは週に1本か2本というユルいペースで書いていましたが、反応を得られるのが嬉しくて、あっという間に毎日書くようになりましたね。

そうやって定期的に書いていると、ある時インフルエンサーに拾われることがあるんですよ。フォロワー、つまり読者を増やしたい人は、自分に共感してくれるインフルエンサーを見つけることも大事だと思います。そのインフルエンサーのシェアによって記事を目にした人たちが自分のファンになってくれるように、プロフィールを工夫したり、テーマをもって書き続けるといったことも重要です。

マイルドに包んで不満も発信

--毎日記事を発信していると、ネタが枯渇しそう……。

最所:もちろん、突然ゼロからイチは生めないので、本を読んだり人に話を聞いたりしてネタ探しはしますよ。ただし、感想を書くのではなくて、「自分だったらどうする?」という話まで広げます。たとえば、私は小売業界が好きなので、ほかの業界で新しい取り組みを見たら「小売だったらこういうふうに応用できるかも」と考えるとか。そうやって、自分の身近な話に寄せたり、マイルドな言い方にくるんで不満をぶつけたりしています(笑)。

あと、私の記事は「世間ではこう言われていますが、こういう実体験があって、やっぱり最終的にこれが正しいんだと思いました」という構成になっていることが多い。知っていたけど実感できていなかったことについて、腹オチした経緯を書くイメージです。

--実感で書くから読む人に響くのかもしれないですね。記事を書く前にツイッターでつぶやいてみて、フォロワーの反応を見ることもありますか?

最所:ありますね。以前は記事のタネみたいなものを、『note』の下書きにいっぱい入れていました。タイトルと地の文を少し書いて、参考記事を貼ったりしていたんです。でも最近はツイッターのフォロワーが増えてきて、反応が得られるようになってきたので、プロトタイプ的なものをツイートしてみたりしています。ツイッターをメモがわりにして、ある程度思考を固めてから、後でまとめて文章にすることが多いです。

あの人にできるなら私にもできるかもと思ってほしい

--人に届く記事か、価値のある情報か、という判断って難しいですよね。だからとりあえず、きれいな空やフォトジェニックな食事など「いいね」をもらえる写真ばかり投稿してしまうことも。最所さんにとって価値のある情報ってどんなものですか?

最所:最終的に人を動かすのが、いいコンテンツ、いいメディアだと思っています。その人の考え方をアップデートしたり、実際に行動が変わっていったり。私にとって一番嬉しい反応は、「自分もできる」と思ってもらえることなんです。フォロワーさんから「最所さんだからこういう記事が書けるんですよ」と言われることもあるんですけど、「この人にできるなら私もやってみたい」と思ってもらえた方が嬉しいですね。

--やってみよう!と思っても、「毎日書くなんて私には無理」と挫折してしまう人も多そうです。

最所:毎日書かなくてもいいんです! 会社員だと、朝から夕方まで働いて、それから毎日記事を書くのは難しいですよね。私の場合は、週末にまとめて書きためています。料理でいえば「作りおき」ですね。発信する場所も、最初からドメインをとって頑張ろうとせずに、レコメンド機能があるような既存のプラットフォームに乗っかってしまうのが一番です。ダイエットも見られることで頑張れる。それと同じで、読む人がいるから頑張れるというのは絶対にあると思います。

書くのが苦手なら、書かなくてもいい

--書くことが苦手な人はどうすれば?

最所:私の場合はたまたま表現手段が文章でしたが、インスタグラムなど写真を使って発信してもいいと思いますよ。あるいは、月1でイベントをやるとか。文章を書ける人を巻き込んで、レポートを書いてもらって……というのを続けていく。自分1人ですべてこなそうとせずに、苦手な部分は得意な人にカバーしてもらうのもアリですね。

--なるほど。ちなみに最所さんは「コラムニストになりたい」という願望があって文章を書き始めたわけではないんですよね?

最所:それは全くないです(笑)。考えた結果を発表するのに、文章が一番適していたという感じですね。

情報発信や「書く」という活動はどうしても目指すゴールとしてライターやコラムニストを想像しがちですが、私自身はコラムニストになりたいとは思っていないんです。でも、発信力は新しい事業をやりたいとかサービスを作りたいという人にとっても大きな価値のあることです。ライティングを本業としない人でも「書く」という武器は強みになるはずです。

私もまだスタートライン

--百貨店時代から、「自分のやりたいことや目指したい方向が明確にあった」そうですが、独立したことで、目指す姿に近づいていると思いますか?

最所:百貨店に入社したときから、人が集まる場所をつくりたいという思いがありました。コミュニティマネージャーを務めている「Diagonal Run Tokyo」はまさにそれを叶えてくれる場所だと思っています。

それから私は、人が服を買うという行為がすごく好きなんですよね。デートとか友だちの結婚式に行くとか、何を着ようと考えるのは、「どう見られたいか」を考えることと同一じゃないですか。明日着るものがテンションの上がるものだったら、明日がくるのがすごく楽しみになる。それって、すごく前向きな思考だと思うんです。

そうした理由から、『note』で「私のおでかけ帖」というシリーズを毎週更新していて、そこを起点にメディアを立ち上げようと思っています。メディアが育ってきたら次はサービスを展開することにつなげたい。まだスタートラインにも立っていませんが、今はひたすら目指す像に向かって走っている感じですね。

(取材・文:東谷好依、写真:池田真理)