クラス全員に靴をプレゼント(画像は『IOL News 2017年7月25日付「Teacher buys school shoes for her whole class」(File picture: Oupa Mokoena/ANA Pictures)』のスクリーンショット)

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毎年7月18日はネルソン・マンデラ・デーである。故マンデラ元大統領がアパルトヘイト政策と闘った“67年”を記念して、マンデラ氏の誕生日に「67分、誰かの幸福のために何かをしよう」と国連が2009年に制定した。国際デーでもあるこの日に、南アフリカで“大好きな教え子を幸せにするため”に靴を購入した先生がいた。『IOL News』が伝えている。

7月24日、冬休みが終わって元気に登校してきた小学生は、ある先生からの特別な贈り物に大はしゃぎだった。北ケープ州・キンバリーにあるレツェゴ小学校の5年生担当の女性教師が、クラスの児童全員に靴をプレゼントしたからだ。

マセチャバ・ジョセフィーン・モシアネ先生は2年後に退職を控えており、教師歴30年以上というベテランである。そんな彼女がマンデラ・デーのためにクラスの児童40名に靴を購入した。モシアネ先生は後に「靴屋は10足おまけでくれたので、それは本当に必要としている子供たちにプレゼントしたの」と明かしている。

学校では以前から学校用靴を扱っている店に靴の無償支援を依頼していたが、「支援をします」という回答をもらえても実現に至ることはなかった。そしてそのたびに児童たちは失望していたという。そんな状況を見ていたからこそ、モシアネ先生は児童のために靴を購入する決意をしたそうだ。

「教師として、児童が裸足や壊れた靴を履いて登校する姿を見るのはとても辛い」とモシアネ先生は明かしているが、レツェゴ小学校に通う児童は親のいない子や祖父母と暮らして福祉に頼っている家庭の子も多い。新しい靴を買う余裕はほとんどないであろう。

モシアネ先生はそんな子供たちの家庭環境を心から心配している。「どういうわけか何を聞いても(児童は)何も言いたくないらしく、泣いている時があります。学校に来ない日が続く子の家を訪ねると、母親は『大丈夫』と言いますが、でも子供たちの様子を見ていると不安で…助けられないのがとても辛い」と教師としての限界を感じているようだ。

それだけに、7月24日は児童のみならずモシアネ先生にとっても特別な日であった。新しい靴を履いて心からの笑顔を見せる児童と、その喜ぶ顔を見て幸せになったという先生。そんなモシアネ先生は、今年の卒業生から在校生へと制服を寄贈してもらうべく奮闘しているという。

画像は『IOL News 2017年7月25日付「Teacher buys school shoes for her whole class」(File picture: Oupa Mokoena/ANA Pictures)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)