ボウリングのフォームはスコアを大きく左右しますが、一方で、ボウリングのレーンには見えない「パターン」が存在し、このパターンを知っているか知らないかで大きな違いが生じます。一般の人でもボウリングのピンを多く倒すことが可能になるパターンについて、YouTubeでわかりやすく解説されています。

The hidden oil patterns on bowling lanes - YouTube

ボーリングでボールを空中に投げる男性。



これがあなたです。



一方で、腕を大きく振るフォームの男性は……



プロボウラーであるパーカー・ボーン三世。



ぱっと見るだけでも素人とプロとでフォームが全く異なり、これがボウリングの成績に大きく関わってきます。



しかし、実はボウリングのレーンには見えないパターンが存在し、フォームだけでなく、このパターンを知っているか否かでも成績は変わってきます。



先ほどボールを投げていたボーン三世は、35回のタイトルを取り、賞金約300万ドルを獲得しているボウラー。名前がアーケードゲームに付けられたこともあるほど、ボウリング界では有名な人物です。



ボウリング・レーンの隠れたパターンについて説明する前に、まずはボウリング・レーンの基本的な仕組みを説明します。



レーンはボードと言われる2.7cm幅の板を39枚並べて構成されており、ガイドやターゲットと呼ばれる点・矢印が記されています。



矢印は5ボードずつの幅で7カ所に記されており、真ん中の矢印は20番目のボードに記されています。



ストライクを狙う場合、1と3のピンの間……



もしくは1と2のピンの間を狙います。この2つは「ポケット」と呼ばれる場所。これらの場所を狙う時の目印として矢印を使っていきます。



レーンの説明が終わったところで「隠れたパターン」について。隠れたパターンとは、レーンに塗られているオイルによって作られるパターン。もともとはレーンを保護するためにオイルが塗られていたのですが、場所によってオイルの量に差があり、オイルが少ないところにボールを送ると滑りが悪くなるのです。そのため、オイルのパターンを見分けてボールを投げることで成績が大きく変わることになります。



通常は、こんな感じのオイルマシーンで塗られていきます。



全米プロボウラーズ協会(PBA)もオイルパターンの重要性は認識しているため、パターンが目に見える青色のオイルが使用されることもあるとのこと。



実際の試合の様子はこんな感じ。



以下の図ではオイルが多い場所の色が濃くなっています。ボールを投げる時、まずはオイルの多い場所を狙うと、氷の上をタイヤが滑るように、摩擦が起こることなくボールが進みます。



ボールが進んでいくと、オイルの量が少なくなってきます。もしボールにスピンが加えられていた場合、オイルの量が減ると摩擦が生まれてボールの進行方向が曲げられ始めます。



そしてオイルのないエリアに到達すると、さらに摩擦が大きくなるので、ボールは大きくカーブしつつピンへと到達するわけです。



ピンとピンの間にあるポケットにボールを当てていくにはボールを急カーブさせる必要があるので、オイルパターンを見分けて利用することが大切になります。



実際にボーン三世の投げたボールの軌跡を見てみると、途中までは外側に向かっているボールがピンの手前で急カーブしていることがわかります。



PBAには「たぬき」「熊」「チーター」など複数のオイルパターンが存在します。



ボーン三世が好むのは「チーター」と呼ばれるオイルパターン。ガーター有りでのボウリングに慣れているボーン三世は、レーンの端にボールを投げ、そこで急カーブさせてボールを中心に向かわせるというやり方が好きだということで、チーターのオイルパターンがお気に入りだそうです。



図解するとこんな感じ。チーターのレーンでは外側の部分のオイルが少なくなっているため、その上にボールをのせることで、早い段階でカーブを作ることが可能になります。



オイルの終わる位置が比較的前方にあるというのもチーターの特徴。そのため、オイルがない、すなわち摩擦が生じる場所が大きくなります。



レーンの外側を走っていたボールが中心の方に戻っていくまでの距離を長く取れるのがこのレーンです。



たぬきのレーンではオイルが終わる位置までが長く、中心のオイル量が多いため、まずはレーンの中心にボールを投げる必要があります。オイルパターンが長いということはオイルのないエリアが短いので、チーターのようにレーンの外側から中心に戻るまでの十分な距離がないためです。



このようなオイルパターンに対し、プロボウラーたちは投げるスピードやボールの種類を調整していきます。しかも、ボウリングの試合では、時間がたつにつれてオイルパターンは変化していきます。



これは何度もプレイされることでボールがオイルが塗られたエリアを引き延ばしていくため。以下の画像では、右利きの選手が多いことで、特に右側にあるオイルが引き延ばされていることがわかります。



黄色い枠で囲んでいる部分には4本の線が入っていますが、これがオイルを引き延ばした跡。



「ここにも、ここにもオイルの跡がある」と、本来オイルが塗られていないはずのピンの前方を指さすボーン三世。



このため、レーンの状態によってボウラーは戦略を変える必要があります。また、左利きの人はオイルパターンの乱れの影響をあまり受けないので、その分アドバンテージを得ているとも言えます。



ボウリングはバスケットボールのように規定のコートの中で行うスポーツのように見えますが……



ゴルフのように、時と場所によってコースが変化するのです。



では、プロでない人がオイルパターンのアドバンテージを受けることはできるのでしょうか?



プロのように特注のボールを使わず、ボウリングのクラスも受けない、学生など一般の人々でも、知識によってオイルパターンのアドバンテージを受けることは可能。多くのボウリングのレーンでは、オイルパターンはだいたい32フィートから40フィート(9.7メートルから12メートル)で、ボールが中心にある時間が長くなるように、中心のオイルが多めに塗られています。



なので、まずは中心のラインにボールをのせれば、摩擦がなくスムーズに進み、早期にカーブがかかってしまうこともありません。



逆に言うと、早めにカーブをかけたい場合はオイルの少ない外側にボールを投げればOK。



ということで、一般の人が遊びでボウリングをするときに覚えておくべきなのは「マイナス31の法則」。オイルパターンの長さから31を引いたところにあるターゲットを狙うというものです。



例えばオイルパターンの長さが41フィートの場合はマイナス31、つまり10番目のボードを狙います。



10番目のボードはこれ。



スピンをかけつつ10番目のボードを狙うと、ちょうどポケットを狙う形でボールがカーブを描いてくれるとのことです。