日本代表の遠藤保仁【写真:Getty Images】

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10位:メキシコの韋駄天レフティー

 サッカー界において、国の代表選手になることは非常に名誉であると同時に、困難が伴う。そのうえ長期間、複数の監督から代表に選ばれ続けることはさらに難しい。ゆえに国際Aマッチに100試合以上出場した選手は多くない。今回はW杯出場経験のある国から、現役選手の国際Aマッチ出場試合数トップ10を紹介する(キャップ数は選手情報サイト『transfermarkt』調べ)。

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アンドレス・グアルダード

1986年9月28日生まれ(30歳)
メキシコ代表(通算139試合24得点、2005年デビュー)
ベティス(スペイン1部)所属

 古豪アトラスでプロデビューしたアンドレス・グアルダードは、およそ半年後の同年12月にメキシコ代表デビューを飾った。さらに半年後、勢いそのままにドイツW杯出場を果たし、翌2007年のCONCACAFゴールドカップにはメキシコ代表の主力として参加した。

 以降およそ10年間、常にチームの中心であり続けている。毎年のように代表戦だけで10試合以上をこなし、ヨーロッパの第一線で活躍を続けるグアルダードはまだ30歳。A代表で積み上げた139試合は驚異的というほかない。

 新シーズンから活躍の場を再びスペインへと移し、ベティスの一員として戦う。来年のロシアW杯もメキシコの大黒柱としてプレーする可能性が高く、実現すれば4大会連続のW杯出場となる。このままのペースでいけば、名だたるレジェンドたちに肩を並べるA代表通算キャップ数を記録できるはずだ。

9位:プレミアで実績豊富なホンジュラスの英雄

マイノル・フィゲロア

1983年5月2日(34歳)
ホンジュラス代表(通算141試合4得点、2003年デビュー)
FCダラス(MLS)所属

 マイノル・フィゲロアといえば、ウィガンやハル・シティでプレーしていたプレミアリーグ時代のイメージが強いだろう。それもそのはず。彼が長きにわたって支えてきたホンジュラス代表は、世界を見渡しても決して強豪と言えるチームではなく、国際舞台での実績が乏しいからだ。

 それでもW杯には2010年と2014年の2度出場し、A代表ではないが2012年のロンドン五輪にはオーバーエイジ枠を使って参加した。2003年のホンジュラス代表デビュー以降、積み重ねたキャップ数とともにチームの成長を体現してきた英雄的存在がフィゲロアという男である。

6位タイ:バルサで輝いたメキシコの重鎮

ラファエル・マルケス

1979年2月13日生まれ(38歳)
メキシコ代表(通算143試合19得点、1997年デビュー)
アトラス(メキシコ1部)所属

 モナコやバルセロナで活躍したラファエル・マルケスは、38歳になっても第一線で輝きを放ち続けている。本田圭佑の移籍で注目が集まるメキシコリーグの強豪アトラスで守備の柱を担い、メキシコ代表として今夏のFIFAコンフェデレーションズ杯に出場して健在ぶりをアピールした。

 1996年に17歳でアトラスのトップチームの一員となり、翌年メキシコ代表デビューを果たしたマルケス。これまでに積み重ねたキャップ数は「143」、来年のW杯のメンバーに選ばれれば5大会連続出場となる。

 クラブレベルでは数々の栄冠を勝ち取ってきたものの、代表では1999年のコンフェデレーションズ杯と2003年のCONCACAFゴールドカップの2つしか獲得できていない。おそらくキャリア最後の大舞台となるロシアで、マルケスはメキシコ代表を高みへと導けるだろうか。

6位タイ:バロンドール4度受賞。ポルトガルの絶対エース

クリスティアーノ・ロナウド

1985年2月5日生まれ(32歳)
ポルトガル代表(通算143試合75得点、2003年デビュー)
レアル・マドリー所属

 言わずと知れたスーパースター。クリスティアーノ・ロナウドは2003年にポルトガル代表デビューを果たして以降、常にチームの中心であり続けている。昨年フランスで開催されたEURO2016では、ホスト国フランスを破っての欧州制覇に大きく貢献し、悲願だった代表でのタイトルを獲得した。

 クラブでの輝かしい経歴と実績が称賛を浴びる一方、ポルトガル代表でのパフォーマンスは批判されがちである。しかし、ほぼ2試合に1得点のペースでゴールを積み重ねていることを考慮すれば、C・ロナウドの能力は驚異的というほかない。

 32歳になったが目立った衰えは見られず、怪我さえなければ来年のロシアW杯にもポルトガル代表の大黒柱として出場することが濃厚。A代表での通算キャップ数もさらに伸びていきそうだ。

6位タイ:後半ATに奇跡を起こすスペインの闘魂

セルヒオ・ラモス

1986年3月30日(31歳)
スペイン代表(通算143試合10得点、2005年デビュー)
レアル・マドリー所属

 2005年にスペイン代表デビューを飾ったセルヒオ・ラモスは、セスク・ファブレガスに抜かれるまで同代表における過去55年間の最年少出場記録を保持していた。その後、すぐに主力定着を果たして2006年のドイツW杯に右サイドバックのレギュラーとして出場し、現在は不動のセンターバックとして“ラ・ロハ”を支えている。

 おなじみとなった背番号「15」は、2007年8月に亡くなった親友アントニオ・プエルタがスペイン代表デビュー時に着けていたもので、セルヒオ・ラモスにとって特別な意味を持つ。そしてその15番とともに2008年のEURO、2010年の南アフリカW杯、2012年のEUROと国際大会3連覇に貢献した。

 EURO2016以降はスペイン代表のキャプテンマークを巻くことも多くなり、来年のロシアW杯はキャリアの集大成となる可能性が高い。“Noventa y Ramos(90分+ラモス)”という言葉を生み出し、類い稀な勝負強さで何度も奇跡を起こしてきた男は、ロシアでも試合終盤のミラクルゴールを見せてくれるかもしれない。

5位:欧州が苦手? 中盤を駆け回るメキシコの闘犬

ヘラルド・トラード

1979年4月30日生まれ(38歳)
メキシコ代表(通算146試合6得点、1999年デビュー)
インディ・イレブン(NASL、アメリカ2部相当)所属

 メキシコリーグの強豪UNAM(通称:プーマス)でプロデビューを果たしたヘラルド・トラードは、テネリフェやポリ・エヒド、セビージャ、ラシン・サンタンデールといったスペインのクラブでも活躍したが、欧州で活躍した期間は長くない。

 2005年にメキシコへ戻ると2016年までクルス・アスル一筋で300試合以上に出場し、2014年にはFIFAクラブW杯で得点王を獲得するなど、看板選手の1人として長く活躍した。2016年からはアメリカ2部相当のNASLに属するインディ・イレブンに移籍し、38歳になった今も元気にプレーを続けている。

 A代表デビューは1999年で、その年にFIFAコンフェデレーションズ杯優勝を経験。2002年と2006年のW杯に出場した。2003年と2009年にはCONCACAFゴールドカップを制覇している。ハードなプレッシングや運動量が持ち味のボランチで得点やアシストといった目立ったプレーは少ないが、メキシコ代表として146試合に出場した実力に疑いのない、いぶし銀のMFである。

4位:エジプトの“キングカズ”!? サウジL初の外国人GK

エサム・エル・ハダリ

1973年1月15日生まれ(44歳)
エジプト代表(通算148試合0得点、1996年デビュー)
アル・ターウォン(サウジアラビア1部)所属

 現在44歳のエサム・エル・ハダリは、今年のアフリカ・ネーションズカップで同大会の最年長出場記録を更新した。エジプト代表で20年以上活躍する鉄人である。

 W杯に出場した経験はないが、アフリカ・ネーションズカップを4度制覇するなど大陸屈指のGKとして高く評価されている。クラブレベルでは母国エジプトのほか、スイスやスーダンでのプレー経験があり、今季から所属するアル・ターウォンではサウジアラビアリーグ初の外国人GKとして第一線で戦い続けている。

3位:揺るぎない信頼。日本が誇るパスマスター

遠藤保仁

1980年1月28日生まれ(37歳)
日本代表(通算152試合15得点、2002年デビュー)
ガンバ大阪(J1)所属

 日本が世界に誇る司令塔・遠藤保仁は、日本代表の国際Aマッチ最多出場記録保持者でもある。黄金世代の1人として1999年のワールドユース(現U-20W杯)に出場し、同年U-22日本代表の一員としてシドニー五輪予選にも出場した。

 A代表デビューは日韓W杯直後の2002年11月、ジーコ監督が率いたアルゼンチン戦だった。2003年のFIFAコンフェデレーションズ杯に主力として出場し、2004年のアジアカップではレギュラーとして優勝に貢献した。しかし、2006年のドイツW杯ではフィールドプレーヤーで唯一出場時間ゼロに終わった。

 オシムジャパンで代表の中心的存在へと成長を遂げると、岡田ジャパン以降は絶対的な柱として君臨。長谷部誠とのボランチコンビは不動となり、2010年の南アフリカW杯と2014年のブラジルW杯までコンスタントに代表キャップ数を積み重ねた。

 精度の高いパスによるゲームメイクだけでなく、フリーキックやPKの名手としても知られる遠藤。ヴァイッド・ハリルホジッチ体制下では代表招集を受けていないが、ガンバ大阪のシンボルとして、37歳になっても変わらぬ輝きを放ち続けている。

2位:スペイン黄金期を支えた絶対的守護神

イケル・カシージャス

1981年5月20日生まれ(36歳)
スペイン代表(通算167試合0得点、2000年デビュー)
ポルト(ポルトガル1部)所属

 近年すっかり影の薄くなったイケル・カシージャスだが、2008年のEUROから2010年の南アフリカW杯、2012年のEUROまで主要国際大会3連覇を成し遂げたスペイン代表を最後方から支えていたことを忘れてはならない。

 南アフリカW杯の決勝オランダ戦の試合後、テレビ中継のインタビュアーを務めていた恋人のサラ・カルボネロさんにキスをして話題を呼んだ。

 そんなカシージャスも寄る年波には勝てなかったか。2012年頃から当時レアル・マドリーの監督を務めていたジョゼ・モウリーニョとの確執や、負傷なども重なって徐々にパフォーマンスを落としていく。そしてついに2015年、9歳の頃からプレーしていたマドリーを去り、ポルトへと移籍した。

 スペイン代表でのクリーンシートは100試合を超え、抜群の反射神経を生かしたセーブや圧倒的な1対1の強さを武器に世界最高のGKとの評価を受けてきたカシージャス。優秀な若いGKの台頭が目立つ中、ロシアW杯に向けてもう一花咲かせることができるだろうか。

1位:世代を超えてイタリアのゴールマウスに鍵をかける伊達男

ジャンルイジ・ブッフォン

1978年1月28日生まれ(39歳)
イタリア代表(通算169試合0得点、1997年デビュー)
ユベントス(セリエA)所属

 キャリアを通じて所属したクラブはパルマとユベントスの2つのみ。ジャンルイジ・ブッフォンはどんな時も本物の漢であり続ける。国歌は常に全力で歌い、相手に敬意を欠かすことなく、立ち振る舞いは紳士そのもの。世界最高の選手でありながら、優れた人間性も多くの人の心を惹きつける。

 ただ、クラブでも代表でも大きなタイトルに恵まれているとは言い難い。ユベントスで8回のリーグ優勝を果たしながら、チャンピオンズリーグ制覇の経験は一度もない。これまでW杯には5大会連続で出場したが、優勝は2006年の一度のみ。

 来年のロシア大会はブッフォンにとって通算6度目のW杯であり、キャリ最後の大舞台になる可能性が高い。プレーは円熟味を増し、39歳を迎えても世界トップレベルを維持している。イタリアサッカーの復権を印象づけるために、是が非でも2度目のW杯優勝を成し遂げたいと思っているはずだ。そして現役選手としては最多のA代表キャップ数をどこまで伸ばせるかにも注目が集まる。

text by 編集部