介護の現場で何が起きている?

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介護産業は、日本が超高齢化社会をむかえるにあたって、ますます需要が高まる産業のひとつです。しかしながら、同時に慢性的な人材不足も指摘されているため、一筋縄ではいかない業界です。

介護の現場を考える

宮本剛宏による『介護危機 :「数字」と「現場」の処方箋』(プレジデント社)は、そんな介護現場で起きているリアルを報告します。著者は、1979年生まれ。非常勤が主流の訪問介護業界において正社員中心の事業、ケアリッツ・アンド・パートナーズを設立した人物です。著者のもとには別事業の介護職からの転職を求める人間が多くやってきます。その多くは、生活リズムがずれる夜勤勤務を回避する人たちがいます。著者の展開する訪問介護は昼間に働けて、なおかつ時間の融通も効くため、これからの需要が見込まれます。それは、老人ホームに入りたくないという、サービスを受ける側の希望でもあるでしょう。そのような、介護業界のつぶさな変化をレポートしたものが本書なのです。

人材不足と財源不足

本書では介護業界の慢性的な問題となっている人材不足、財源不足に対しても提言を行っています。離職率の高さから、人材が育たつず管理職が不足してゆく、業界の悪循環の構造などが現場の声として記されています。介護業界の負の側面にもきちっと視点を当てているためフェアな本であるといえるでしょう。