新天地では、「日本人のディフェンダーがフィジカルの強い中東でも戦えるというところを見せ付けたい」と意気込みを語る塩谷選手。 写真●川本学

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 アジアの強豪クラブ「アル・アイン」へ移籍した塩谷司選手に、自身初となる海外クラブでの挑戦への意気込みと、海外生活で気に掛かる”コンディショニング”について訊いた。

 塩谷選手は、2012年夏に水戸から広島へと移籍。その年に広島は、J1リーグ優勝を果たす。そこからのキャリアは、2013年の連覇に貢献し、2015年にはチャンピオンシップにも勝利した。全盛期のチームにあって、個人としても、3度のベストイレブン(2014、2015、2016)に選出されるなど、Jリーグ屈指のディフェンダーへと成長していく。さらに、日本代表選出、リオ五輪にも出場した。
 そして今夏、UAEのアル・アインへの移籍を決断し、さらなる活躍を誓う。

広島から海外へ、移籍を決めた想いとは――

「広島では、自分が想像していた以上に素晴らしい時間を過ごすことができました。5年間、本当に濃い時間をすごさせてもらった広島への想いは、やはり特別です。小学校の頃のようなサッカーの楽しさを思い出せましたし、自分の攻撃的な持ち味を引き出しもらえたのも、このクラブに移籍したおかげです。
 だから今回、アル・アイン(UAE)からのオファーを頂いた時は、本当に悩みましたね。毎日毎日、自分の気持ちが日替わりになるほど、考えました。でも、日本人がほとんどいない環境のなか、強烈なアタッカーがゴロゴロいるリーグで闘う厳しさを味わうことで、ステップアップにつながるんじゃないか。屈強なFWとやりあえることを示して日本代表に復帰し、ロシア・ワールドカップにも出場したい。欧州挑戦の足がかりも作りたい。選手としての成長するためにも、今回は行くべきだ。それが結論でした」

これまでと異なる環境のなかでも成長を見据えている。

「アル・アインは、正真正銘、アジア屈指のビッグクラブ。過去、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)の優勝経験もあり、今季も勝ち残っています。スタジアムも凄いし、クラブハウスや練習場も含め、なにもかもスケールが大きい。
 環境も日本とはまったく違いますね。日中は40度にもなるので昼間は外に出るのも危険。空港から街までは延々と砂漠が続いて、ラクダが歩いているくらいしか風景の変化がない。アラビア文字も読めないし、言葉も話せない。でも、そういう環境に対応していくことで、心身ともにタフになると考えています」

「アル・アインで成功を掴み、サッカー選手として息長く活躍していくためには、コンディションの維持・向上が重要です。シーズンを戦っていると、身体が軽快に動く日と重さを感じる日、調子の波がどうしても出てきてしまうもの。コンディショニングは本当に難しい」

新しいチームで結果を出していくためには――

「僕の場合、何かルーティンを決めて準備するというよりも、自然にいることで体調を整えるタイプ。だからムラが出てしまうのかもしれないですね。「こうすればコンディションを維持できる」という方程式はまだ、自分の中で発見できていないのが正直なところです。でも、いつも同じような体調で練習や試合に臨んでいかないと、チームから信頼を得ることもできない。「100%か50%か」「爆発か停滞か」という状態ではなく、常に80%〜90%の高いレベルを維持するべき。プロとして求められるのは、そういう安定感なんです。
 目標は、まず試合に出ること。ACLの優勝に貢献し、クラブワールドカップにも出場したい。日本人のDFがフィジカルの強い中東でも戦えるというところを見せ付けたい。成長した姿を日本のファンの皆さんに見てほしいと思っています」