ロン・ハワード監督が『ハン・ソロ』映画の後任に決まったが、問題は山積み

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若き日のハン・ソロを主人公にした映画の撮影中だった監督、フィル・ロード&クリストファー・ミラーがクビとなり、ハリウッドを騒がせた。去る6月20日、新スター・ウォーズシリーズのプロデューサーであるルーカス・フィルムのキャスリーン・ケネディは「フィル・ロードとクリストファー・ミラーは才能あふれる監督ですが、クリエイティブ面のビジョンの相違から袂を分かつことにしました」とスター・ウォーズの公式サイトにコメントを掲載。加えて、ロード&ミラー監督も「『クリエイティブ面の相違』という言葉は好きではありませんが、今回はこれが事実となりました」とコメントを出した。そして2日後の22日、ルーカス・フィルムは新監督にロン・ハワードが決まったと発表した。

『ハン・ソロ』映画だけじゃない。途中降板した監督たち

ロード&ミラー監督は2年前に契約。撮影の準備を経て今年2月から撮影に入っており、スケジュール全体の4分の3の撮影が終了していた。ハワード新監督は7月中旬に撮影を再開するが、元々5週間の追加撮影が予定されていた。5週間で追加撮影が済むのか、さらに伸ばすのかは不明だ。

映画業界紙バラエティやハリウッド・レポーターなどの報道によると、ロード&ミラーは自身のコメディセンスと撮影現場の即興・アドリブを重視する撮影スタイル。一方、ケネディと脚本を担当したローレンス・カスダンは脚本に書かれたセリフ通りの演技を重視する。両者の衝突は必然だったようだ。

実はケネディはカスダンを交代監督にしようと考えたようだが、全米監督組合(DGA)のルールにはばまれた。「製作中の映画に既に携わっているスタッフや俳優を監督にしてはいけない」というもの。カスダンは脚本を手掛けているので、監督にはなれないのだ。

ディズニーとルーカス・フィルムがスター・ウォーズをドラスティックに変えるのはこれが初めてではない。『ローグ・ワン』では、ギャレス・エドワーズ監督の撮影に不満だった製作サイドは、トニー・ギルロイ監督に脚本のリライトと追加撮影を任せた。スピンオフ作品にジョシュ・トランク監督を起用すると発表したものの、『ファンタスティック・フォー』でのトラブルが伝えられると監督起用を取り消した。

新監督は決まったものの、監督降板の影響は続く。まず、監督のクレジット問題。追加撮影、およびポストプロダクション作業は新監督が見ることになるだろうが、DGAのルールではロード&ミラーをクレジットから外すことはできない。3人を併記するか、あるいは「監督が途中で降板したり、自らの名前をクレジットしたくない」場合に用いられるアラン・スミシーが考えられる。さらに監督への2次使用料(パッケージ販売やテレビ放映権料)の分配金も今後交渉していくものとみられる。(文:相良智弘/フリーライター)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。