インディーズ系日本映画へのこだわりを語ったオダギリジョー

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 米ニューヨーク、ジャパン・ソサエティー開催の日本映画祭「ジャパン・カッツ!」で上映された映画『オーバー・フェンス』について7月20日(現地時間)、主演のオダギリジョーが取材に応じた。

 本作は佐藤泰志の小説を山下敦弘監督が映画化したラブストーリー。好き勝手に生きて来た白岩(オダギリ)は妻にも見放され、東京から生まれ育った故郷の函館に戻り、大工の職業訓練校に通学しながら失業保険で生活していた。だが、仲間の代島(松田翔太)の誘いで入ったキャバクラで風変わりなホステス聡(蒼井優)と出会ったことで、これまでの生き方を見つめ直していく。

 ドラマ「午前3時の無法地帯」で共に仕事をした山下監督との再タッグについて、オダギリは「山下さんとはほぼ同い年で、どこか戦友に近い感覚があるんです。それは西川美和監督も一緒で、デビューしたのが近かったことや、みんなメジャーな作品から距離を置いてインディーズでやりたいことを頑張ってきました。でもそれは、すごく難しいことなんです。今でもどこかインディーズで生き残ってこれた戦友という気がしていて、あまり話をしなくても、言葉が通じるような感覚があります。だから、今作で監督と意見を戦わせるようなことはなかったですね」と話し、良い関係をうかがわせた。

 『蟲師』(2006)で共演した蒼井との再共演については「台本を読んだ時点で、蒼井さんの役は難しい役だなと思っていました。演技のバランスを間違えると、大げさな芝居になりかねない役で、精神的に問題を抱えている女性にしか映らないんです。バランス感覚がとても重要な役ですが、撮影初日に蒼井さんの演技を見てすごく安心しました」とこちらも相手への高い信頼度を明かした。

 今作を通してアメリカの観客に伝えたいことは? 「独立系日本映画が少なくなった中で、この『オーバー・フェンス』は昔の日本のインディーズらしい映画です。作品を通して少しでも日本に興味を持ってもらえれば、うれしいですね。もともと海外で人気のあった日本映画はこのようなインディーズの映画だったと思いますし、決してキラキラ映画、アクション映画ではなかったと思うので、今作で日本らしさを感じていただけたらそれが一番ですね」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)