NY発「ネイキッドケーキ」の魅力:ケーキデザイナー・太田さちかさんインタビュー

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「ケーキデザイナー」として、さまざまなケーキを作っている太田さちかさん。

太田さんが手掛けるのは、誕生日や記念日用など、お客様のリクエストに合わせたオーダーメイドのケーキです。どれもおいしいのはもちろん、見た目も美しく、繰り返し注文する人も多いとか。
そんな太田さんが最近力を入れているのが「ネイキッドケーキ」。ニューヨークのカフェが発祥というこのケーキの魅力、そして、ケーキ作りを学んだフランスでの見聞から生まれたもうひとつの肩書のことなどについて聞きました。
ネイキッドケーキづくりは「ファンタジー」

ーーまずネイキッドケーキについてお伺いしたいのですが、先ほど食べさせていただいたら、思たよりさっぱりしている印象を受けました。夏でもうれしいスイーツですね。
ネイキッドケーキは、スポンジケーキの側面すべてをクリームで覆っていませんし、私がつくる場合はスポンジを軽くしているので、そう感じたんだと思います。

ーーなるほど。確かにクリームが全体に塗ってあるわけではありませんが、デザインがステキで、一般的なケーキより目を引くような気がしました。飾りつけではどういうところに気を付けていますか?
スポンジを2段以上重ねて作るときには、スポンジの真ん中よりも外側のほうにフルーツを置くと、横から見ても彩りがあって楽しい印象になります。
一番上の段には、フルーツや生花をのせることもあります。自由にデコレーションして構いませんが、一般的なホールケーキのように均等に飾りつけをするよりも、「自然な美しさ」を取り入れるのが私は好きですね。

ーー「自然な美しさ」ですか。
ええ。例えば、果物も不自然にカットするのではなく、小ぶりなものならそのままの形を生かし、花もあるがままの状態で使うといったことです。ベリーはもともとツルに生えているものですから、上から側面に沿って、流れるように飾りつけると、ベリーの実がなっている状態と似ていて自然な美しさを感じさせます。
私は、お菓子づくりはファンタジーだと思うんです。ネイキッドケーキはその想いを実現させてくれるものですし、誰でもつくりやすいので、たくさんの人に好きになってほしいです。
料理の楽しさを教えてくれた身近な人たちの存在
ーー太田さんは会社勤めをしながら、週末、お菓子教室に通い、さらにフランスでも勉強したそうですね。そこまで太田さんを魅了した、お菓子づくりの原点は何ですか?
お菓子に限らず、料理全般において、つくることや見た目の楽しさを教えてくれたのは、父方の祖母と母方の大叔母です。料理に笹の葉を添えるとか、自然界の中にある美しさを盛り付けの中にも生かしていて、それは私が「自然な美しさ」に惹かれることに影響していると思います。それから、私の母はよくレモンババロアをつくってくれたんですが、そのレシピが載ったお菓子の本を見るのがすごく好きでした。私自身、もともとお菓子づくりが好きだったこともありますが、そうした身近な人たちから学んださまざまなことが今のケーキデザイナーという仕事に生きていると思います。

ーーそうなんですね。ところで、フランスを留学先に選んだのはどうしてですか?
我が家には父の仕事の関係で外国の方が来ることが多かったんです。それで自然と海外にあこがれるようになり、いつからかフランスに行きたいと思うようになりました。大学でも第二外国語はフランス語で、最初の海外旅行の行先もパリでしたね。そして会社を休職して、10か月ほどパリのリッツ・エスコフィエという、ホテルのリッツ・パリの中にある学校でお菓子づくりを学んだわけです。
ーーでは帰国して、ケーキデザイナーになったんですか?