巨額の遺産を残して亡くなった平尾昌晃さん

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 7月21日に亡くなった作曲家で歌手としても活躍した平尾昌晃さん(享年79)の“妻”の存在が波紋を広げている。

《遺産騒動 心配の声》。7月25日付のスポニチに、そんな見出しが躍った。記事によると、平尾さんが昨年、チーフマネジャーだった50代女性のA子さんと結婚していたことがわかり、周囲が騒がしくなったというのだ。さらに、《平尾さんの偉大な功績によって遺された遺産だが、それを巡ってトラブルが起きないことを多くの人が望んでいる》と平尾さんの周囲は話していると報じている。平尾さんには最初の妻との間に1人、2人目の妻との間に2人、合計3人の息子がいる。A子さんが役員を務める平尾昌晃音楽事務所はこう話す。

「遺産を巡るトラブルはありません。A子さんと息子たちの連絡も円滑で、心配するようなことは何もありません」

 しかし、取材を進めていくと、たしかに家族内の“不協和音”がいくつも聞こえてきた。 前出のスポニチの記事では平尾さんの「遺産」について触れている。平尾さんが代表を務める事務所では、東京都心部に事務所兼スタジオの物件を所有している。その資産価値はおよそ2億円とされる。それ以外にも、数年前に購入したというタワーマンションもある。

「平尾さんはミュージックスクールを経営する会社の代表でもありました。スクールの経営も順調。それに、かつては競馬の競走馬も所有するほど羽振りもよかった」(芸能関係者)

 なにより平尾さんは自身が作曲した膨大な数のヒット曲があり、音楽業界内では、「印税収入は年間2億円弱ある」といわれている。

 ただ、「平尾さんの遺産は多くても10億円程度ではないか」というのは、平尾さんの知人だ。

「平尾さんの2人目の妻の息子たち2人は名古屋で暮らしていますが、長男は事業をやっていて、次男は歌手やタレント活動をしています。口の悪い音楽仲間は“平尾は親バカ”というほど子煩悩なかただったので、彼らの事業費や活動費をかなり手助けしていたと聞いています。また、面倒見のいい平尾さんは親族への援助も多く、それほど蓄えているという印象はありません」

 とはいえ、10億円ともいわれる遺産が今後どうなるのかを、平尾さんの友人たちは心配しているわけだ。

 故人の財産が血縁関係者に移転することを「相続」という。誰に、どれくらいの割合で受け継がれるかなどは民法によって定められている。

 たとえば、法廷相続人が配偶者と子供1人の場合、配偶者に半分、子供に半分が相続される。子供が2人になっても、配偶者は半分のままで、子供2人が4分の1ずつを受け取ることができる。子供が3人いる平尾さんの場合、A子さんが半分を受け取って、残りを子供3人で均等にわけるルールになっている。

◆複雑化する遺産の行方

「著作権の相続の場合も、著作者(作曲者)の個人管理だとしたら、不動産や株券などの財産と変わらず、相続方法も同じで、遺族に相続されます。著作権は著作者の死後、50年間にわたって保護されます。ただし、複雑なのが、個人事務所や会社で著作権を所有している場合です。その際は著作者が亡くなっても、著作権は事務所に残り、配偶者や子供たちには相続されないんです」(音楽関係者)

 2014年1月に亡くなったやしきたかじんさん(享年64)のケースでも、個人事務所が資産を所有していて、それが遺産相続問題の争点になった。

 たかじんさんは平尾さん同様、3度の結婚をし、最初の妻との間に娘が1人いた。その一方で、亡くなる3か月前、一般人女性のSさんと再々婚していたのだ。たかじんさんがこの世を去ると、最期を看取った3人目の妻と1人娘の間で、10億円ともいわれる遺産をめぐる激しいバトルが勃発したことはよく知られている。平尾さんの周辺でもこんな心配の声が聞こえてくる。

「A子さんは平尾さんの音楽事務所の役員でもあります。事務所が著作権の印税を管理しているので、今後もそのまま会社に印税が入ることになりそうです。ただし、それでは息子たちは蚊帳の外。平尾さんの親族からは『財団を作って印税はみんなで管理してはどうか』という声も聞かれますが、A子さんら事務所関係者にすればそれは受け入れ難いことでしょうね」(前出・音楽関係者)

 一部には「平尾さんは10年以上前から遺言状を作っていた」という話もある。今後、親族の間の話し合いも、その遺言状の中身次第となるのかもしれない。

 平尾さんが旅立って間もないが、以前からすでにA子さんと息子たちの間には深い溝ができているという証言は多い。

「次男の勇気さんがスポーツ紙のインタビューで、“家族葬は7月28日に通夜、29日に告別式を行う”と発表しました。その通り、各メディアは家族葬のスケジュールを報じたのですが、A子さんサイドが“まだ決まっていない。勝手に発表してもらっては困る”と、その日程をキャンセルして、葬儀は後ろ倒しされたんです。勇気さんは“勝手にしろ”とかなり怒っていたそうです」(前出・別の知人)

 前出の音楽関係者が続ける。

「A子さんは名作曲家である平尾さんのブランドを守ろうと丁寧にマネジメントをする人でした。一方で、息子たちはアーティストの血を引いているので自由闊達な雰囲気がある。要の平尾さんが逝ってしまって家族間にさらなる行き違いが生じるとしても、いたしかたないのかもしれません」

 しかし、A子さんが役員を務める平尾昌晃事務所は言う。

「平尾さんとA子さんが入籍したのは4年以上前のことで、“遺産目的”といった情報はまったく違うんです。また、通夜・告別式が変更になった理由ですが、まだ日程が決まっていない段階で外に出てしまっており、未定です。家族葬でもありますので、今後、発表する予定はありません」

 そして、本稿締め切り間近、息子の勇気から話が聞けた。彼は、「入籍したのは4年ぐらい前だが、いつ知ったのか、誰から聞いたのかはお話しできません」という。やはり、両者に大きなしこりを感じさせる話だった。

 いずれにしろ、通夜の日程すらすんなりとは決まらない不穏な雲行きを、平尾さんはどんな思いで見つめているのだろうか。

※女性セブン2017年8月10日号