画像提供:マイナビニュース

写真拡大

●遺伝による影響も大きく、特に女性は要注意

年齢を重ねると骨密度が低くなり骨粗しょう症になるというのは、よく耳にする話。これを「高齢者の話でしょ」で片づけている人もいるかもしれないが、実は若い世代にも骨粗しょう症予備軍が意外に多く存在する。

「生活のクオリティーに骨の健康は不可欠」と話すウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長に、大人世代が骨のために今やるべきことを聞いた。

○骨折で寝たきりや認知症の恐れも

骨粗しょう症は骨量(骨質3:骨密度7の割合で換算)が減少して骨が弱くなり、骨折などを招きやすくなる骨の病気。50代では9人に1人、60代では3人に1人、70代では2人に1人が加齢変化の範囲を超えた骨密度低下をきたしていると言われている。

病気とはいえ、自覚症状がほとんどなく、ただちに命に関わる病気でもないとなると、軽視してしまうのもわからなくもない。だが、実はこれが大きな落とし穴。「骨粗しょう症は『骨折して初めて発覚した』という方がほとんど。でも、高齢になってからの骨折は、思いもよらない悪循環を招く恐れがあります」と浜中先生は注意をうながす。

骨粗しょう症によって骨折しやすい場所は「背骨」「脚の付け根」「腕の付け根」「手首」など。どこを骨折しても不便だが、特に脚の付け根を骨折してしまうと歩行が困難になる。リハビリを行う体力も気力も衰えている高齢者の場合、そのまま寝たきりになってしまったり、それが原因で認知症になったりするといったケースも多々あるとのこと。今まで普通にできたことができなくなることのダメージは想像以上に大きく、それは生活のクオリティーに直結するというわけだ。

○40代半ばを過ぎたら、一度は骨量の検査を

では、そうならないためにどうすればよいか。まずは検査が第一。骨粗しょう症の約8割が女性だが、この数値には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関係している。

エストロゲンにはさまざまな働きがあり、骨を形成するのも大きな役割の一つ。更年期になりエストロゲンが減少すると骨がつくられなくなり、骨量も減少してしまうため、骨粗しょう症になる確率が高くなる。遺伝による影響も大きいため、女性の場合は母親や祖母など親族の女性に骨粗しょう症の人がいたら要注意だと覚えておこう。

「遺伝の心配がある方は30代後半、そうでない方も女性ホルモンの減少が加速する40代半ばを過ぎたら、検査したほうがよいですね」

●骨粗しょう症を予防する方法

骨密度は20歳頃にピークを迎え、それ以降は骨密度を落とさない生活習慣を心掛けることが大切となってくる。気をつけるべきポイントを下記にまとめた。

1. 食生活はバランスよく

良質なたんぱく質、カルシウム、ビタミンD3、ビタミンKをしっかり摂ること。反対に加工食品や清涼飲料水などによく含まれるリンは摂取しすぎないように注意しよう。

2. 運動する習慣をつける

無理なく続けられる適度な運動を定期的に行おう。

3. 十分な睡眠をとる

骨の健康に必要な成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、6〜7時間は寝るのが理想。

4. 無理なダイエットはしない

特に極端な食事制限や偏った食生活はしないように。

5. アルコールやカフェインの摂りすぎ、タバコは要注意

骨の健康に限ったことではないが、これらは悪影響を及ぼし、じわじわと体をむしばむ。

6. 月経バランスに注意する

エストロゲンの減少が月経バランスの崩れになっている場合もある。エストロゲンの減少は骨粗しょう症の原因にもなるため、若いうちに月経不順が続くようなら早めの受診を。

○極端なダイエットが骨欠乏症を招く

上記の1〜4は成長期の子どもにとって重要で、周りの大人が注意すべきことでもある。「骨粗しょう症(Osteoporosis)」とまではいかなくとも、その予備軍ともいえる「骨欠乏症(Osteopenia)」は過度なダイエットをした若い女性にも多いとのこと。一度下がった骨量は元に戻らないため、注意が必要だ。

浜中先生は「骨やそれを支える筋肉は重いため、骨量や筋肉量が増えるのを嫌う方もいますが、将来、健康な生活を送れなければダイエットの意味もありません」と話す。確かに容姿の美しさも、日々の生活を笑顔で送れる健康があってこそ。充実した日々のため、そして将来のためにも密度の詰まった強くてしなやかな「美骨」を目指すようにしよう。

からだエイジング