倒産激増が近づいている――。そんな不気味な囁きが市場で聞かれるようになった。

「6月に倒産したタカタが市場のムードを一変させました。何しろ上場企業の倒産は1年9カ月ぶり。倒産件数は底打ちから増加に転じると感じた投資家は大勢いました」(市場関係者)

 東京商工リサーチによると、2017年上半期(1〜6月)の倒産件数は全国規模では減少したが、東京都に限ると2ケタ増(10.1%増)だった。前年同期を上回ったのは実に5年ぶりで、6月まで3カ月連続で増加している。

「7月に入っても倒産は続いています。4カ月連続で前年を上回る危険性は否定できません。こうなってくると、全国レベルで倒産が増加傾向を見せても不思議はありません」(東京商工リサーチ情報本部の増田和史氏)

 東京都の倒産件数を見ると、17年上半期は飲食業などサービス業が前年同期比31.1%増と最も多かった。次いで卸売業(10.0%増)、情報通信業(8.5%増)、建設業(9.4%増)と続く。倒産の原因別では販売不振が最多だ。

「消費不況が小売業を直撃しているのです。東京は地方に比べ、圧倒的にサービス業が多い。だから全国に先駆けて倒産件数は増加に転じたのでしょう」(流通関係者)

 日本チェーンストア協会が24日に発表した17年上半期のスーパー売上高は、前年同期比1.5%減(既存店ベース)だった。

 上半期としては4年ぶりのマイナスで、堅調だった食料品が減少に転じている。消費者の節約志向は着実に高まり、そのシワ寄せが小売店に及んでいるのだ。

 アマゾンをはじめとするネット通販がスーパーなど小売店の“売り上げ”を奪っている面も無視できない。米シンクタンクの調査によれば、米国の小売店は17年初頭から6月中旬までに5300店が閉鎖。前年の3倍に達したという。

「日本も状況は同じです。そこに消費不況が重なり、小売店、卸、メーカーと倒産の連鎖が起きるかもしれません」(小売業関係者)

 今年後半は倒産激増を覚悟したほうがよさそうだ。