損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントは7月28日に「アセアン・オーナーズ・ファンド(為替ヘッジなし)」を設定する。同ファンドについて損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの外部委託運用部シニア・インベストメントマネージャー秋元秀介氏(写真)に聞いた。

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 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントは7月28日に「アセアン・オーナーズ・ファンド(為替ヘッジなし)」を設定する。中・長期的な経済成長が見込まれるアセアン(ASEAN=東南アジア諸国連合)の株式において、「オーナー(創業者)企業に特化して厳選投資する」というユニークなコンセプトになっている。同ファンドについて損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの外部委託運用部シニア・インベストメントマネージャー秋元秀介氏(写真)に聞いた。

 ――アセアンのオーナー企業に着目した理由は?

 アセアン主要5カ国(シンガポール、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシア)の経済成長率は、今後も新興国全体よりも高くなる見通しだ。また、労働人口(15歳-64歳)の比率が高く、若く育ちざかりがアセアンの魅力といえ、これを正面から捉えるファンドを用意したかった。

 アセアンは中国経済の影響を強く受けるイメージがあるかもしれないが、実際には域内での輸出入の割合がおよそ25%を占め、相対的に海外景気の影響を受けにくい。また、今年5月にインドネシアが投資適格に格上げされ、主要国は全て投資適格以上になった。

 一方、ファンドの実質的な運用はシンガポールのUOBアセットマネジメントに委託する。UOBアセットは、シンガポール3大銀行の1つであるUOB(ユナイテッド・オーバーシーズ銀行)傘下の運用会社。マレーシア、タイにもオフィスがありASEAN地域で調査活動している。

 UOBアセットマネジメントは、オーナー企業を成長の段階に応じて「ステージ1」(企業の存続可能性が不透明)から、「ステージ1.5」(利益成長期待が高まり企業の存続可能性が高まる)、「ステージ2」(利益成長が実現する企業の萌芽)、「ステージ3」(業界内の注目が集まり、長期的な創造戦略が確立)、「ステージ4」(発展的解消の段階)という5段階に区分する独自のレーティングを行っている。特に「ステージ1.5」から「ステージ3」までのオーナー企業に大きな投資魅力があった。

 ――具体的な投資プロセスは?

 オーナー企業として、創業者(もしくは創業者一族)が経営している、または、創業者一族が5%以上の株式を保有する企業と定義した。そして、時価総額5億ドル以上、かつ、1日平均取引が50万ドル以上の銘柄をリストアップすると、210銘柄が該当した。その中から、企業の財務内容等を調査して投資に相応しくない銘柄を除くと、107銘柄の投資可能ユニバースができる。そして、セクター・カントリーアロケーションを考慮して、より魅力的な40銘柄程度でポートフォリオを構築している。

 モデルポートフォリオの構成(16年12月30日現在)は、国別にはインドネシア34.4%、タイ27.1%、シンガポール23.0%、フィリピン14.5%、マレーシア1.0%になっている。また、セクター別では、生活必需品39.4%、一般産業20.1%、一般消費財19.5%、不動産12.6%、ヘルスケア7.7%など内需関連セクター中心だ。

 ――オーナー企業への投資はパフォーマンスにもプラスの影響がある?

 16年12月30日を基準としたモデルポートフォリオのバックテストを実施すると、過去5年間においてMSCI東南アジア・インデックスを大きくアウトパフォームする結果が得られている。

 過去5年ではインデックスが累積収益率でプラス8.2%に対し、モデルポートフォリオはプラス82.0%。過去3年ではインデックスはマイナス7.7%だが、モデルポートフォリオはプラス17.4%だった。投資期間が長期になるほど、対インデックスで超過収益が大きくなるという傾向がある。

 ――現在の市況は、オーナー企業の投資するタイミングとして効果的か?

 当ファンドは、投資タイミングを問題にするテーマ型のようなファンドではなく、中・長期に投資していただけるファンドと考えている。当初募集は内藤証券、日産証券だが、設定後に、あかつき証券(取扱開始8月1日)、高木証券(同3日)、楽天証券(同4日)、SBI証券(同10日)など、続々と取り扱い販社が増えている。

 世界的に株式市場の不透明感が強まっている中にあっては、オーナー企業の特徴である中・長期的な展望に立った経営判断の優位性は注目に値すると思う。これから成長が本格化するアセアンで、オーナー企業が実現するであろう大きな成長に投資するファンドとして、多くの方々にご検討いただきたい。(情報提供:モーニングスター社)