夏休み限定“カルピス工場見学”を体験

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カルピス株式会社は昨年から、“夏休みスペシャル企画”と題し、「カルピス」が作られる工程を見学できる「『カルピス』のひみつ探検隊!」(以下「ひみつ探検隊!」)を実施している。いったいどのようなイベントなのか、実際に体験してみた。

群馬県館林市に1972年に誕生したカルピス群馬工場。広さは東京ドーム約3個分の13万6000平方メートルで、約400人が働いている。親会社でもあるアサヒ飲料全体の11%の商品を生産する工場だ。

群馬工場で生産している商品は希釈タイプの「カルピス」のほか、そのまま飲める「カルピスウォーター」など各種ペットボトル飲料、バターなど約150種類。

「ひみつ探検隊!」は「カルピス」の歴史および群馬工場の紹介映像の鑑賞、製造ライン見学とともに、試飲&プレゼントもある参加無料の“お得なイベント”で、今年は7月21日、24日、26日、27日の4日間開催される(※参加者はホームページとメルマガで募集)。今年はすでに応募は締め切られ、当選者も確定している状況だが、関係者の話では約12倍の倍率だったという。

群馬工場の敷地内には、事務棟、厚生棟、原液棟、工務棟、アセプ棟、倉庫など、さまざまな建物が立ち並ぶが、実際に内部を見学できるのは事務棟とアセプ棟のみで、あとはバスの中から見学することになる。ただ、今後見学できるエリアや場所は変更する可能性もあるそうで、ゆくゆくは「カルピス」生産における重要な“発酵過程”を見学できるようになるかもしれない。

カルピスが作られる工程は、大きく分けると以下の6工程になる。

【1】牛乳の搬入
工場に運ばれてきたしぼりたての牛乳(生乳)が安全で、「カルピス」の原料にふさわしいかどうかの品質検査。

【2】乳脂肪分を取りのぞく
生乳を遠心分離機で脱脂乳と乳脂肪分に分ける。脱脂乳は「カルピス」の原料に、乳脂肪分は「バター」の原料になる。

【3】「カルピス菌」を入れる。
脱脂乳を発酵タンクに送られる途中で「カルピス菌」(乳酸菌と酵母の集まり)を加える。

【4】1回目の発酵
発酵タンクは乳酸菌の働きを活発化する温度が調整されており、ここで1回目の発酵が行われる。乳酸菌が働くと、乳の中の栄養分「乳糖」から「乳酸」という酸っぱい味が作られることになる。この働きが「発酵」で、「カルピス」独特の酸っぱさは乳酸菌から作られているわけだ。

【5】2回目の発酵
【4】を別のタンクに移し、砂糖を加え、酵母が働きやすい温度で2回目の発酵を行う。「カルピス」独特の香りは酵母の力でできている。

【6】完成
味を整えて風味を良くし、殺菌後すぐにボトルに詰め、品質検査に合格すれば「カルピス」の完成だ。

見学では、1回目の発酵を済ませた液体、2回目の発酵を済ませた液体それぞれを試飲してみたが、1回目の液体は酸っぱさがかなり際立ち、飲めるような状態ではなかった。一方、2回目の発酵を終えた液体は「カルピス」の香り漂う甘めの味に変化しており、まさに「カルピス」に近い状態。参加した子どもたちもその変化に驚きと感嘆の声を発していた。

また、アセプ棟で見学させてもらったペットボトルの生産過程も大変興味深かった。まず、ペットボトルとして膨らませる前の段階の材料である「プリフォーム」に熱を加えて柔らかくする。その後、それぞれの金属の型に入れ、空気を吹き込んで膨らませ、成型していくのだが、「プリフォーム」はもともと試験管のような見た目をしており、硬さもある。ペットボトルはプラスチックの一種(ポリエチレンテレフタレート)だが、「プリフォーム」を実際に手にすることで実感がわいた。

カルピス群馬工場では、以前は完成したペットボトルを工場に搬入し、それに飲料を詰めて出荷していたそうだが、現在のように工場でペットボトルを作るようになったことで、トラックが工場に来る回数を1/7にまで減らすことができたそう。こちらは、環境保全への取り組みの一環だ。

ちなみに、ペットボトルの口には透明のものと、白いものの2種類があるが、色の違いは耐熱性を表しており、透明のものは50度、白いものは85度くらいまで耐えられるという。毎日何気なく利用しているペットボトルだが、こうした小さな“気づき”を与えてくれるのも工場見学の醍醐味だろう。

先述の通り、今年はすでに募集を締め切ってしまっている「ひみつ探検隊!」だが、来夏も実施されるので、興味がある人はホームページを随時チェックしておくと良さそうだ。