量子コンピューターで自動運転技術開発が飛躍的に進む

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 25日付の日本経済新聞はトヨタ自動車が6年後(23年度)を目途に、安全性を最優先にした上で「レベル4」の自動運転技術を確立する方針であることを伝えている。

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 自動車業界が抱えている二大テーマとして、自動運転とEV化があげられるが、いずれ劣らぬ難問であり各国の自動車メーカーがしのぎをけずっている。自動運転に関して先行している(PR上手な?)メーカーと比較すると、トヨタの動きが鈍いような印象を受けていたが、いよいよ次代の覇権争いが本格化するということだ。

 自動運転技術を開発する上で最大の問題が人工知能である。その人工知能の能力を飛躍的に向上させる“解”が見えてきた。今世紀中に実現できれば御の字の程度に期待され、短く言うと早期の実現可能性が疑問視されていた、量子コンピューターの商業応用が現実味を帯びてきたのだ。

 6年前、世界に先駆けてカナダのベンチャー企業(D-Wave Systems社)が、実用化モデルを発売。一部の専門家には懐疑的な見方があったものの、グーグルやNASAがその能力を検証しお墨付きを与えた。

 何しろ、現代の高性能コンピューターに比べて最大1億倍のスピードで計算することができるというのだ。スーパーコンピューターの存在が霞んでしまうような超電脳である(注釈:得意とする分野では最大1億倍ということで、あらゆるスピードが1億倍ということではない)。

 “使える人工知能”を開発するためには膨大なデータ処理を必要とする「組み合わせ最適化問題」をクリアしなければならないが、現在の高性能コンピューターでは解析に時間がかかりすぎるため、本当の正解である“厳密解”の代用として“近似解”で済ませている実態がある。

 しかし、人の命と直結する自動運転技術は“近似解”の積み重ねで確立できるようなものではない。間違いのない“厳密解”が積み重ねられて初めて安全を謳うことができる。

 量子コンピューターには複数の開発システムがあり、日本はもちろん各国政府が威信をかけて開発を推進してる。どの国のどんなグループが覇権を握るのか?結果を読み解く計算式を、今は誰も知らない。